気候変動への対応

気候変動への対応

  • 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 13 気候変動に具体的な対策を

方針・考え方

気候変動への対応は、材料の調達から施設の運用に至るサプライチェーンのCO2排出を抑制することが重要です。そのため、さまざまなステークホルダーと情報共有しながら対策を進める必要があります。特に建物運用時の排出の影響が大きいことから、ZEB+などの省エネ関連技術の提案に努めるとともに、新たな技術開発に取り組んでいます。気候危機が深刻化するなか、パリ協定の実現に向けた削減目標を、2.0から1.5℃(2050年実質ゼロ)に見直しました。また、その具体化に向けた取り組みをグループの視点で再検討しています。当社は、再生可能エネルギー事業の立ち上げに主体的に参加することで、社会的課題である気候変動対策のインフラ整備に取り組んでいます。本年度は、顧客への再生可能エネルギーの提案やグループ企業の利活用の推進についても検討を進めます。

気候変動情報の開示に関しては、前田建設グループと前田道路はそれぞれCDPによる開示を行っています。2019年に取得したSBT認証については、本年10月のホールディングス化を契機に更新を予定しています。

SBT

※SBT:Science Based Targetsの略称で、世界の平均気温の上昇をパリ協定で目標としている「2℃未満」に抑えるために、企業に対して科学的な根拠に基づくCO2削減目標を設定するよう求めるイニシアチブ

マネジメント

取締役会における気候関連課題の責任者は、代表取締役社長となっています。
中期環境計画(‘19-’21)では、2018年度の実績に対し、3カ年の削減目標を決めて取り組んでいます。
作業所での取り組みは、建築部・土木部と、四半期に一度WGを開催し対策について検討します。作業所での実施状況は、環境情報のポータルサイトに入力することで情報の共有と、集計の効率化を図っています。2016年より作業所における環境負荷低減のための取り組みを評価・推進するため、ポータルサイトに登録した取り組みを「経済的価値」として金額換算し、ランキング表示して取り組みを“見える化”しました。また社内の環境活動表彰の評価の基準としています。
CSR・環境担当者役員は、建築部門、土木部門、調達部門、技術部門における中期環境計画の実施状況を取りまとめ、四半期ごとに取締役会に報告しています。

※各工種および事務所における、省CO2活動および省資源活動による業績面削減値とCO2に代表されるカーボンプライシングの合計値

目標と実績

2019年度からは、新しい中長期経営計画である中長期改革プラン「NEXT10」に基づく事業計画の見直しを実施しています。そこで、その内容に沿った形で、SBTの認定基準に準じた中長期CO2削減目標の見直しを行い、中期環境計画('19-'21)を策定しました。

2015年のパリ協定に基づき、日本政府は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しており、当社もこれらの実現に向けCO2排出削減目標を「2050年実質ゼロ」に見直しました。また、2019年に取得したSBT認証については、2021年10月のホールディングス化を契機に更新し、目標達成に向けグループ会社との連携および取り組みを強化します。

前田グループの温室効果ガスの中長期削減目標(総排出量)

※横スクロールにて全体をご確認いただけます。

※◎:100%達成 ○:95%達成
 △:90%以上達成 ×:未達成

主な取り組み内容 取組に
関するKPI
2020年度の実績 達成度
評価
2020年度
目標

気候変動への対応

建物運用段階におけるCO2排出量削減

推定削減率

13.8%

-

-

施工段階におけるCO2排出

排出原単位

20.3(t-CO2/億円)

22.5(t-CO2/億円)以下

オフィスにおける電力使用量によるCO2排出

排出量

1,799(t-CO2

1,964(t-CO2)以下

排出原単位

3.41(kg-CO2/人・日)

4.30(kg-CO2/人・日)以下

事業活動におけるCO2排出量および原単位

2020年度、施工活動においては大型再開発工事やダム工事における土工事完了などにより建設重機使用が減ったためCO2排出量は712百t-CO2(当社の定める基準年度[1990年]比61%削減)となり、昨年より減少しました。CO2排出原単位(施工高1億円あたりのCO2排出量)については20.3t-CO2/億円(当社の定める基準年度[1990年]比46%削減)と前年度より減少しました。

オフィス活動では、電力使用量によるCO2排出量は16百t-CO2(当社が定める基準年度[2001年]比49%削減)となりました。CO2排出原単位は3.41kg-CO2/人・日(当社の定める基準年度[2001年]比40%削減)と前年度より減少しました。

なお、2019年度より飯田橋本店の使用するすべての電力はグリーン電力証書による再生可能エネルギーを利用することとしました。これによりCO2排出量は0kg-CO2として取り扱っています。

省燃費運転活動による想定減量分を含む

CO2(施工活動)の推移
CO2(オフィス活動)の推移
2020年度の作業所における省燃費運転活動実施状況

設計段階での取り組み

建築基準法や、省エネ法などさまざまな法令を遵守し、発注者の要求を満たした上で、さらに、設計段階から環境負荷低減に配慮した、各種省エネ提案やシミュレーションを行っています。また、環境配慮設計推進のため、全物件において評価を行っています。ZEBに関してはZEBリーディングオーナー、ZEBプランナーにも登録しており、設計およびコンサルティング、施工まで行う総合省エネプランナーとして引き続き取り組んでいます。当社は、新築および改修の「W ZEB」(ダブル・ゼブ)により、ZEBのリーディング企業をめざします。

建築物運用段階におけるCO2発生抑制に関する推移

環境配慮設備の推進としてのCASBEE評価

「建築物環境総合性能評価システム(CASBEE)」を業務フローに組み込んでいます。本評価は基本設計時および実施設計時に行うこととし、目標としてはBEE値1.2以上の達成率100%としています。

BEE値1.0以上は「B+ランク(良い)」、1.5以上は「Aランク(大変良い)」となります。2020年度竣工物件では9物件について評価を行い、BEE値1.2以上については100%の達成率となりました。内1物件についてはBEE値1.4となっています。

省エネ法対象物件におけるCO2推定排出削減量

建築物運用段階におけるCO2排出量抑制のため、省エネ法上の一次エネルギー消費量の削減に努めています。2020年度の対象物件(設計物件)では、一次エネルギーの削減量は13.8%となり、また推定されるCO2排出削減量は461.5tとなりました。

  • ※推定されるCO2排出削減量の算出は、「省エネルギー計画書&CASBEE評価シート」による

「省エネ大賞」「カーボンニュートラル大賞」をダブル受賞

当社の研究開発拠点「ICI※1総合センター ICI Lab」の「エクスチェンジ棟」が、「2020年度(令和2年度)省エネ大賞※2」(主催:一般財団法人 省エネルギーセンター)省エネ事例部門で「資源エネルギー庁長官賞(業務分野)」を、また「第9回(令和2年度)カーボンニュートラル賞※3」(主催:一般社団法人 建築設備技術者協会)において「カーボンニュートラル大賞」をダブル受賞しました。

エクスチェンジ棟は当社100周年記念事業として計画された「ICI総合センター」の管理中枢機能を受け持つ施設で、「ZEBと知的生産性向上を実現する次世代型のオフィス」をコンセプトに、計画段階から建築と設備・ランドスケープを融合させた、国内トップレベルの省エネ性能を有するオフィスです。

建設地の豊富な井水や太陽光、自然風などの自然エネルギーを最大限に活用するとともに、さまざまな省エネ・環境技術を導入し、ZEBを達成しています。

【省エネ大賞】

先進性・独創性、省エネルギー性を主として、汎用性・波及性および改善持続性について総合的に評価され、受賞に至りました。

【カーボンニュートラル賞】

カーボンニュートラル化に資する省エネルギーへの取り組み・工夫、自然エネルギー利用・工夫などが多角的に評価され、受賞に至りました。

なおこの度受賞した「カーボンニュートラル大賞」は、「カーボンニュートラル賞」の中から特に優れた業績として選出されたものです。

本建物では、月1回開催されるコミッショニングWGにて、施設の利用状況、機器類の運転状況の確認、エネルギー使用状況の分析を実施しており、運用の改善・最適化に取り組み、更なる省エネ化を進める予定です。

当社では、本件の実績・成果を礎に、政府目標として掲げられた2050年度のカーボンゼロ達成を見据えた、建物のZEB化推進のため、より高度な省エネ・環境技術の開発・社会実装に取り組んでまいります。

  • ※1  ICI:Incubation(孵化)×Cultivation(育成)×Innovation(革新)
  • ※2 

    省エネ大賞

    :事業者や事業場等において実施した他者の模範となる優れた省エネ取り組みや、省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰する制度。

  • ※3 

    カーボンニュートラル賞

    :カーボンニュートラル社会の実現に向けた優れた業績を表彰することで、その意識の浸透と推進活性化を図ることをその目的とした制度。

ICI LAB エクスチェンジ棟
ICI LAB エクスチェンジ棟
カーボンニュートラル大賞 表彰式
カーボンニュートラル大賞 表彰式

施工段階での取り組み

建設業界では、CO2排出量の約7割を占める軽油使用量を削減するため、省燃費運転を推進しています。当社では、省燃費運転教育をCO2排出量の削減に効果的な手段の一つと位置づけ、座学教育、実技教育、アイドリングストップの徹底、定期検査の実施の4項目について着実な実施を推進しています。2020年度は座学教育実施率50%、実技教育実施率44%、アイドリングストップ80%、重機などの定期検査実施率81%となり、この活動により約4200t-CO2→データブックP.8「2020年度の作業所における省燃費運転活動実施状況」を参照)のCO2削減に寄与しました。今後も継続的に取り組んでいきます。なお、施工活動全体におけるCO2排出量については、71千t-CO2となり、昨年度より約12千t-CO2減少しました。その結果、CO2排出量原単位は20.3t-CO2/億円となり、削減目標を達成しました。

省燃費運転教育

温室効果ガス排出量(スコープ3)

温室効果ガス(以下、GHG)の排出量について、当社では事業活動を行う際に消費する「燃料の燃焼による直接的な排出量(スコープ1)」と「電力使用による間接的な排出量(スコープ2)」に加え、事業活動の上下流において間接的に排出されるGHG排出量(スコープ3)を把握し、開示しています。

当社は「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(環境省・経産省)」に基づき、スコープ3を算定しています。2020年度における排出量の詳細は、以下のとおりです。

気候変動に対する取り組み:【KPI】事業活動の上下流において排出される間接的な排出量(スコープ3)
環境技術の売上への寄与・普及・展開:【KPI】環境技術の工事受注・売上への貢献

SBTによるGHG削減目標の達成に向けた取組み

2020年度のスコープ1+スコープ2のGHG排出実績は、84,672t-CO2となり、2020年度目標値※1102,315t-CO2以下を達成しました。スコープ3のよるGHG排出実績は,4,452,122t-CO2となり、2020度目標値※26,716,956t-CO2以下を達成しました。ただし、これはカテゴリー11の集計範囲を変更したことに起因するもので、2021年10月のホールディングス化を契機に目標値を更新します。

※1:スコープ1+スコープ2の目標値:2018年度の実績を基準値とし、約1.7% / 年度削減

※2:スコープ3の目標値:2018年度の実績を基準値とし、約2.5% / 年度削減

SBTによるGHG削減目標の達成に向けた取り組み

2030年目標:
スコープ1+スコープ2のGHG排出量を20%削減(2018年度比)
スコープ3のGHG排出量を30%削減(2018年度比)
※カテゴリー11:当社が施行した建造物の使用に伴うGHG排出量
集計範囲:
前田建設工業(株)、(株)前田製作所、(株)エフビーエス、フジミ工研(株)、(株)JM、光が丘興産(株)、(株)ジェイシティ

2020年度の取組み状況

スコープ1+スコープ2(前田グループ全体)
スコープ1+スコープ2(前田グループ全体)
スコープ3
スコープ3