特集3
MAEDAが掲げるCSV経営の強みは、
本業である請負事業

特集3 MAEDAが掲げるCSV経営の強みは、
本業である請負事業

@THE MAGARIGAWA CLUB
17 パートナーシップで目標を達成しよう

貢献するSDGsとその理由

CSV経営の実践により新たな事業領域へ挑戦することで、多様な社会の課題解決に貢献し、あらゆるステークホルダーと共に新たな価値を創出します。

本業である請負事業

MAEDAは「総合インフラサービス企業」を目指し、永続的な成長、安定かつ高収益体質、世界中の社会課題を解決することによってすべてのステークホルダーから信頼される企業となるために、2016年よりCSV経営を継続的に実施しています。これは、当社が請負事業で培ってきた「エンジニアリング力」と脱請負事業で力をつけてきた「新たな建設サービス」の融合によって新たな付加価値を提供するビジネスモデルです。
それぞれが抱える多くの社会課題を全方位的に解決するような企業像を目指し、上流である事業投資や開発から、下流である運営や維持管理へと事業領域を拡大、強化することでインフラを核とした様々な社会課題の解決に挑戦しています。この挑戦には、MAEDAの本業であり強みである請負事業は欠かすことのできない重要な軸となっています。

請負の強化は脱請負の加速

MAEDAの強みである請負の強化は、ただプロジェクトを遂行していくことではありません。常日頃からCSV的な視点で社会課題を見通し、その解決策とビジネスの両立を図るといった思考と行動が必要不可欠です。この様なCSV思考で行動を変革していくことにより、従来の役割やルールにとらわれず、新たな事業領域へ拡大・挑戦することによって、エンジニアリング力の強化へ繋げています。

新たな領域への挑戦

MAEDAは、軸である請負事業の力をより高めていくため、今まで取り組んだことのない事業領域へ挑戦しました。日本初・アジア初となるプライベートドライビングコースの建設プロジェクトです(2023年竣工)。これは、MAEDAの土木・建築のエンジニアリング力、前田道路の舗装技術、前田製作所の建設機械開発力を融合させたインフロニアグループとしてのプロジェクトでもあります。

アジア初のプロジェクト

当プロジェクトは、びわ栽培が盛んな千葉県南房総市の山間部にある約40万㎡の広大な開発区域内に、本格的なドライビングコースと共に、6種の建造物を建設するプロジェクトです。
性能の高いスポーツカーを走らせることができる本格的かつ安全性を十分に兼ね備えたドライビングコース、そして、欧州のラグジュアリーなドライビングクラブをイメージした宿泊施設などを併設しています。メインとなる建物は2階建てのクラブハウスで、プールや露天風呂、レストランのほか、ファミリーラウンジなど家族向けのスペースがあり、会員だけではなく一緒に訪れた方も楽しい時間が過ごせる場所となっています。

オーナーズパドックB棟外観
車寄せ・エントランス
オーナーズガレージ1階
ファミリーラウンジ

工事の困難性

メインとなるクラブハウスを建設した場所は、山頂部で非常に硬い岩盤であったため、切土を繰り返しながら平坦な地盤に整える作業から工事は始まりました。150万㎥にも及ぶ土を動かすたびに現場の地形が変化するという動線確保だけでも非常に難しい工事です。
また、通常は、土木工事による用地造成を先行して行い、その後建築工事を実施しますが、このプロジェクトではスケジュール上、土木工事・建築工事、そしてドライビングコースの建設も平行して行う必要がありました。特に建築資材の搬入・運搬は、山を切り開きながらの作業であったため、工種間で協力して作業内容や動線などの情報共有を密にし、徹底した安全対策を施しながら慎重に工事を行いました。切り開く道は「泥岩」という水に濡れると滑りやすい性質の土であったため、落石や資材運搬車両などの転落対策をし、安全に作業員が通行・作業することができる環境整備に尽力しました。

現場での環境配慮

当プロジェクトは、山間部という自然豊かな場所を舞台としています。そのため、工事にあたり地域の生態系や環境への配慮も大変重要でした。
地域の生態系を把握するために希少動植物の調査を行った上で、同じ敷地の中にビオトープを設置したり、植物の移植は敷地内で行い、なるべく影響が出ないような移植前と同じような環境(土質、日照環境など)を選定しました。

捕獲作業の実施状況
敷地内に設置したビオトープ
保護したトウキョウサンショウウオ

また、土木工事によって発生した150万㎥の掘削土は、場外へ搬出するのではなく、敷地内で有効に利用することで、搬出作業によって発生するCO2の削減や、搬出車両の騒音をなくすなど、環境への配慮に努めました。

インフロニアグループの調整力の発揮

当プロジェクトは、着工前からMAEDA・前田道路・前田製作所の3社で情報・意見交換を積極的に行い、着工後も作業の進捗状況やICT施工による3次元データを共有しながら効率化を図るとともに、高精度な施工を実現しました。
まさに、MAEDA、前田道路、前田製作所にある信頼関係と調整力、各社が培ってきた確かな技術の融合により、困難な環境でも力を発揮することができたプロジェクトとなりました。

当プロジェクトに携わった所長たちによる対談はこちら

この調整力は、インフロニアグループならではの力の一つだと考えています。インフロニアグループには共通の道しるべ(行動指針)「インフロニア・キャレット」があり、この指針を共有している仲間だからこそ、リスペクト(RESPECT)、譲り合い、助け合い、という一見当たり前の事をより強固にすることができたと考えています。

INFRONEER^(インフロニア・キャレット)
INFRONEER^(インフロニア・キャレット)

私たちインフロニアパーソンのもつ多様な強みの累乗(キャレット)による、新しい価値創造の源泉であり、大切にする道しるべです。

https://www.infroneer.com/jp/company/philosophy.html

地域活性化と新たなプロジェクトへの挑戦

当プロジェクトは、南房総市の公募案件からスタートしたプロジェクトです。当初ゴルフ場の提案をしていましたが、市からの提案も受け、都心部から約100kmの距離であるこの地域に人の流れを還流していくことを目指しました。
アジア初となるドライビングコースが完成し、地域活性化を促進するための一端を担えたと自負しています。
また、当プロジェクトでの調整力を評価され、南房総市の発展に繋がる新たなプロジェクトに参加することを予定しています。

付加価値を提供する「総合インフラサービス企業」へ

MAEDAが取り組むCSV経営で目指す姿「総合インフラサービス企業」は、多くの社会課題を全方位的に解決することです。今回取り組むことができた、南房総市プライベートドライビングコースは、MAEDAの事業領域を拡大したプロジェクトのひとつです。この経験により、当社は新たな領域の知識や技術を獲得することができました。当工事を足掛かりに今後もグループ内での結びつき(シナジー)を更に深め(高め)、地域・社会に付加価値を提供しながら大きな成果に繋げていきたいと思います。

工事名 THE MAGARIGAWA CLUB(仮称)南房総市プライベートドライブコース新築工事
発注者 コーンズ富浦株式会社
設計・監理 一級建築士事務所 株式会社デリス建築研究所(土木、建築、統括)
一級建築士事務所 株式会社16A[イチロクアーキテクツ](建築)
工期 建築工事:2021年9月13日~2023年3月31日
土木工事:2020年5月11日~2023年3月31日
施設概要 クラブハウス:自動車駐車場、事務所、飲食店、公衆浴場、スポーツクラブ
オーナーズパドックA・B:自動車駐車場(ガレージ)、休憩室、ゲストハウス
長期保管ガレージ:自動車駐車場(ガレージ)
ガレージ棟:事務所、倉庫、車庫
ゲート棟:守衛室、控室