特集
MAEDAがめざすCSVでの価値創出とは

特集 MAEDAがめざすCSVでの価値創出とは

NEXT10 2nd stageの今

創業100周年の節目となった2019年、私たちはCSV経営の継続的な実施によって、次の100年でめざす新たなMAEDAの企業像「NEXT100」を掲げました。そして、この新たな挑戦を実行するためのマイルストーンとして、次の10年「NEXT10」でめざす姿を策定し、それをバックキャスト手法により3つのステージごとの中期経営計画に落とし込んだロードマップとNEXT10実現のための戦略三本柱を策定しました。

「NEXT10」でめざす姿の実現のための戦略三本柱

  1. Ⅰ.生産性改革
  2. Ⅱ.脱請負事業の全社的推進
  3. Ⅲ.体質改善
MAEDA『NEXT10』

2021年にインフロニア・ホールディングスを持株会社とし、前田建設、前田道路、前田製作所を事業会社とするホールディングス体制に移行しました。今後も更なる企業価値向上を目指す体制となりましたが、新たに策定されたインフロニアの経営戦略に連携させる形で前田建設のNEXT10は引き続き継続していきます。2022年度~2024年度を期間とする2ndステージでは、従来の取り組みに加え、グループシナジーの最大化を意識した取り組みを強化し、成長をさらに加速させます。
「生産性改革」では、1stステージにおいて、新たな経営指標として「付加価値生産性」を導入し、利益管理、労働時間管理を徹底し、目標を概ね達成することが出来ました。
2ndステージでも、さらなる付加価値生産性向上を目指し、BIM・CIMの推進やICTツールの活用による業務省力化などに積極的に取り組んでまいります。
「脱請負事業の全社的推進」においては、官民連携事業のパイオニアとしてのノウハウと、インフロニアグループ全体での営業体制を活用し、プロジェクト数や自治体との連携数を着実に増加させています。2ndステージでは、グループ内連携をさらに強化するとともに、国内外のパートナーとも協業し、脱請負事業のさらなる拡大を目指します。
最後に、「体質改善」においては、社員一人一人が当事者意識・主体性をもって働くことができる強い組織となるべく、1stステージでは人事制度の抜本的な改定やこれまでにない教育プログラムを策定・実施し、新たな企業文化の変革に向けた土台構築を行ってきました。2ndステージでもこうした制度を常に見直すとともに人への投資を見える化・モニタリングを行い、研修や働きやすさ支援を充実させていきます。

MAEDA NEXT10ビジョン

ステークホルダーと作る課題解決の考え方

ステークホルダーと作る課題解決の考え方

私たちMAEDAが「NEXT10」でめざす姿、それは「総合インフラサービス企業」です。これは、当社が請負事業で培ってきた「エンジニアリング力」と、脱請負事業で力をつけてきた「新たな建設サービス」の融合によって実現するビジネスモデルです。
請負を軸に、その上流である事業投資や開発、下流である運営や維持管理へと事業領域を拡大、強化することでインフラを核としたさまざまな社会課題の解決、つまり私たちが特定したマテリアリティの全方位的な解決をめざします。
そして、社員一人ひとりが脱請負思考に基づいて事業主の目線を持ち、主体的に世の中の変化や社会課題と向き合い、新たな価値を提案および創出することは、まさにCSV経営の実践と言えます。
私たちMAEDAは、今後も多様な社会課題を解決するため、ステークホルダーとの連携をより広げていくことが重要であると考えています。
本特集では、MAEDAがめざすCSVでの価値創出についてご報告しています。
特集1では、NEXT10における戦略の取り組みで最大化をめざす付加価値についてご説明しています。この特集では付加価値を「創出した経済価値を示す指標の一つ」と捉えています。付加価値最大化の取り組みによって生み出した経済価値をステークホルダーへ分配すること、地球への配当のしくみによって拠出することは、社会・環境価値の創出にもつながると考えています。
特集2で取り上げるコンセッション事業や包括管理業務委託のような取り組みは、抱える課題や将来ビジョンが地域によってさまざまです。そのため、多様なステークホルダーを絡めた循環モデルで関係性を広げることによって、課題解決の切り口を増やすことが必要です。
このモデルでは、産業や文化、スポーツなど地域に根差したステークホルダーに対して企業の技術やビジネス力を投入することで人、モノ、サービスなどが動き、直接的あるいは間接的に利益が循環していきます。さらに、さまざまなステークホルダーを引き込んでサークルを広げることで価値の連鎖を大きくして、地域全体の活性化をめざすしくみです。
企業にとってはCSVでのさらなる価値創造につながり継続的な利益の循環が可能となる一方、ステークホルダーにとっても価値の創出による持続的な成長が期待できます。
ゆえに私たちはこの考え方が、持続的な地域のモデルになり得るものだと認識しています。
特集3は、NEXT10の2ndステージにおいて特に強化するグループ内連携についてです。
本特集で取り上げるMAGARIKAWAサーキット場は、まさにグループが連携して取り組んだ事例であり3社のシナジーが発揮されたプロジェクトです。当社の強みである請負の強化と実践を継続しながら、更なるグループ連携の強化と改革のスピードアップを図っていきます。