労働安全衛生

労働安全衛生

  • 8 働きがいも経済成長も

「お客さまの満足」のためには、優れた建造物・建設サービスの提供が必要だと考えています。この「優れた建造物・建設サービス」は、安全な施工や品質の確保など、企業として確実に守らなければならない根本的なものという意味だけではなく、社会的課題に配慮した先進的な取り組みの意味も含んだ包括的なものです。社会から求められる要望に対して、誠実に、かつ確実に対応できるよう、「優れた建造物・建設サービスの提供」に本支店や作業所など全社が一体となって取り組んでいます。

方針・考え方

当社は、過去の重大災害の反省から安全衛生の基本的な考え方として「MAEDA安全衛生方針」を定め、基本理念に『安全は会社の良心である』を掲げ、災害防止活動を全社一体となって遂行し、安全な職場と快適な作業環境を創出しています。さらには災害の防止と健康増進および快適な職場づくりのため、2001年に「労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)」を導入し、リスクアセスメントを柱とする活動を構築・維持し、継続的に安全衛生水準の向上を図っています。

マネジメント

日々の安全管理活動として、年度安全目標および重点施策を定め災害防止活動を推進しています。さらに、安全スローガンを定め、本社、支店、作業所、安全協力会、職長会、技能労働者が一体となって不安全行動を注意しあい、災害を未然に防止できる作業環境を構築しています。

労働安全衛生マネジメントシステム体制
<MAEDA安全衛生方針>安全は、会社の良心である。

実績

2022年度の当社の安全成績は、休業災害が37件発生し、そのうち休業4日以上の災害が17件、度数率は0.56となりました。
しかし、残念ながらその中には死亡災害を2件含む結果となってしまい、全社を挙げて再発防止に取り組んでいるところです。
2023年度につきましては、引き続き「重大災害ゼロ」<災害のない現場の実現>を目標とし、さまざまな施策を進めてまいります。

度数率、強度率の経年変化
現場における安全への取り組み:【KPI】安全成績

災害防止への取り組み

類似災害防止として、ICTを活用した、人間のエラーをカバーする安全装置の活用および改善、作業手順の周知徹底、効果的な水平展開に重点を置くとともに、教育にも注力し安全な職場環境の実現に努めます。
また、万が一、重大災害が発生した場合には、本支店の主管部長・安全部長と作業所が一体となって事故調査を行い、再発防止対策を検討・実施し、必要に応じて社内規則の変更や通達類の発信を行うことにより、全社一体となった同種災害の防止に取り組んでいます。

年末重点パトロールの実施

労働災害が起こりやすい繁忙期の年末に、経営層が全国の主な施工現場の安全パトロールを行っています。2022年12月14日に前田社長が最新の掘削管理システムを導入している梶ヶ谷シールド作業所(東京土木支店)を訪れました。「最近の事故の傾向として、準備工事や後片付けなど、非定常作業に危険が潜んでいる。準備工事や後片付けも作業として臨んでほしい。また、突発的な予定外作業も事故につながるため協力会社まかせにせず、しっかりコミュニケーションを取ることが大事だ」と注意喚起するとともに、「安全に関する投資は生産性を上げる効果もある」として安全対策についても「積極的なチャレンジ」を呼び掛けました。

年末重点パトロールの実施

安全大会の実施

全国安全週間に先立つ準備月間にあわせ、安全協力会と合同で全国の支部ごとに安全大会を開催しています。安全大会には必ず経営層が出席し、当社社員・安全協力会会員に対し、安全に対するメッセージを発信し、当社・安全協力会が一致団結して無事故・無災害に取り組むことを誓いました。

前田救護活動隊の活動

当社は建設会社として唯一の救護活動隊を有しています。過去に起こしてしまった悲惨な事故を風化させずに『二度と起こしてはならない』という強い信念のもと、2007年に発足しました。現在、年2回定期訓練を行っています。2022年12月10,11日に本支店の役員、社員と隊長以下30名の隊員が、関西支店管内のトンネル現場で第29回訓練を実施しました。

前田救護活動隊の活動
前田救護活動隊の活動

(第30回訓練の様子)

安全協力会との合同パトロール実施

安全協力会では、定期的に安全環境部会を開催し、安全衛生に関する活動方針の策定などを行っています。又、当社と安全協力会(前友会)が合同で行う「合同安全パトロール」を実施しております。
2023年11月10日に九州支店・鳥栖市庁舎作業所、12月9日に東京土木支店・東発宮平作業所を安全協力会と前田建設の本店安全担当役員をはじめとした安全関係者で合同安全パトロールを実施しました。

安全協力会との合同パトロールの実施

建設業における交通事故防止のための新技術
AIによる交通危険事象検知システム(AI SAVE)の開発・導入

一般道路や高速道路を走行し、土壌などをダンプトラックにて輸送する工事においては、交通事故の抑止安全対策に特段の配慮が求められます。
従来の車載加速度センサーやドライブレコーダーのみでは危険事象の判定基準が曖昧であり、運転手への具体的な注意喚起には至らないことが課題となっておりました。
当社は株式会社Create-Cと共同開発で、輸送車両(ダンプトラック)前方にて撮影した画像をAIが解析し、検知した危険な運転挙動を詳細に把握・共有できるシステム「AI SAVE®(エーアイセーブ)」を開発しました。
双葉中間貯蔵施設作業所、羽田造成作業所で導入し、交通事故防止に取り組んでおります。

3建設業における交通事故防止のための新技術 AIによる交通危険事象検知システム(AI SAVE)の開発・導入

3月21日を「前田安全の日」と制定し、
ICIキャンプに『忘れてはならない大災害の展示場』を設置しました

ここでは『最上中流や大清水、グリムの森で発生した大規模災害をはじめとした過去災害の内容』『これら災害を教訓とした当社の取り組み(MRTの結成、ICT技術の活用による工事安全性の向上)』『各年代の教育時における若手社員の安全への誓い』の展示を行っています。

この展示室を社員教育・研修に活用することで、過去の大災害の経験を将来に至るまで継承し、同種の災害を二度と起こさない安全意識を全社員で共有するとともに、『すべてにおいて安全が優先される現場管理』という基本理念の全社員への再徹底を図っていきます。

3月21日を「前田安全の日」と制定し、ICIキャンプに『忘れてはならない大災害の展示場』を設置しました

安全に関する研修

研修名称 人数

新入社員受入(雇入れ)研修

105

3年次安全基礎研修

98

5年次安全実務研修

105

安全衛生委員会での取り組み

産業医、衛生管理者、衛生委員(社員)からなる安全衛生委員会を月に1度開催し、職場巡視結果やそれに基づき講じた対策、長時間残業についての定期的な報告のほか、定期健康診断の受診促進やストレスチェックの実施案内等の法律で定められた行事の情報展開など、産業医や衛生管理者のアドバイスを得ながら、社員の健康を支える仕組みや職場の環境改善等について協議しています。

また、社員の疾病リスク低減を通じて、従業員の健康維持・増進を推進しています。「心の健康づくり計画」に則ってメンタルヘルスに重点的に取り組んでおり、ラインケアやセルフケアの研修を実施したり、社外相談窓口の設置やその展開に取り組んでいます。2021年からは保健師・看護師が疾病リスク低減を目的に健康診断や人間ドック、再検査・精密検査の受診促進、休職者のフォローを行っていますが、加えて果たしている重要な役割が、社員の相談窓口です。
2022年度は、本店に在籍する保健師が各支店の衛生委員会にオンラインで参加し、保健師の担当業務や役割について説明を行いました。その結果、看護師・保健師の認知度は徐々に高まりつつあり、本人や部下・同僚のメンタル不調に関する相談や健康診断結果の疑問についてなど、さまざまな相談が寄せられるようになりました。
今後も全社の安全衛生委員会を通じて、社員の安全衛生はもちろん、健康経営の施策の浸透を図っていく予定です。

◆新型コロナウイルスへの取り組み◆

2023年5月8日の5類感染症移行に伴い、時限立法として導入していたコロナ感染休暇やワクチン副反応に関する休暇制度を廃止し、対面での打合せや出張などの制限、マスク着用義務も解除しました。
しかし、オフィスの換気、アルコールジェル等の設置は引き続き実施しており、多くの社員が使用しています。また、業務終了後のアルコールによる机の清拭は既に定着しており、一定の感染症対策行動が社員に浸透したと認識しています。