前田ファンタジー営業部 前田ファンタジー営業部
お問い合わせ
PROJECT04 世界初、民間国際ロボット救助隊を創ろう編 パート7:これがロボット救助隊の姿だ(後編) page02
海に浮かぶ花畑を目指し
さて基地の制服は人気投票の結果「PLAN C」が採用となったようだが、肝心のその「基地」はどうなっているのか。ようやく本来の「F営業部」的内容を、超圧縮版でお届けしたい。しかし担当のS主任がなかなか集合場所に現れないようだ。
B主任 B主任: お、ようやくやな。ずいぶん待たせるやん。他の仕事、厳しいんちゃう?
S主任 S主任: すまんすまん。いつも忙しいから一件くらい増えたって問題ない、というか慣れっこだよ。しかし今回の仕事も、相当訳がわからないなあ。
C主任 C主任: 通常時は理想的な空港の旅客タ ーミナルとして使用。大屋根をかけることで雷雨・降雪にも影響されない運行が可能で、ANAさん運行整備部門のスタッフの方々にも快適な勤務空間を提供する。利用されるお客様に対しても「ヨーロッパの鉄道ターミナル駅」「出航を待つ豪華客船と桟橋」などをモチーフとした「旅情」を強く演出する意匠とする・・・問題は空調範囲かな、なんてね。
S主任 S主任: 簡単に言うなあ。「日頃はターミナル」とか「大屋根」とかは問題ないけど「ヨーロッパの鉄道ターミナル駅」は厳しいよ。
C主任 C主任: どうして。最先端の飛行機と、クラシックなターミナルのミスマッチが面白いと思うんだけどな。
S主任 S主任: 構造的にどうするかという問題もあるし、そもそも大事なのは「基地としての機能」だろうし。
D職員 D職員: ここはS主任を信じて一つお任せしたんですから、営業サイドの我々は黙っておきましょ。
C主任 C主任: わかったよ。で、どうだい。納得のいく仕事になったかい。
S主任 S主任: そうだね。できる範囲のことはやったよ。
B主任 B主任: ほぅ、これでっか。
©前田建設
透明な扇の下には専用機が2台、羽を休めています
©前田建設
D職員 D職員: 非常に未来的な意匠ですね。
B主任 B主任: 夏は暑そうやな。屋根は膜構造*1かい。
S主任 S主任: そうだよ。吊橋の技術を応用・・・というかそのまま利用している。その原理についてはこっちを見てくれ。
©前田建設
©前田建設
©前田建設
大屋根を横から見たときの構造説明図です
©前田建設
D職員 D職員: つ、つまりこれはどういうことなんでしょうか?
S主任 S主任: この大きな屋根を支えるのに、斜張橋の原理を使ったんだ。ただし、中央部のマストから「半分だけ」ね。このままだと重量バランスが悪いので、少しマストを傾けているけどね。
B主任 B主任: 豪快やね。でマストの向こう側に行ったケーブルもアンカーで固定するわけやね。
S主任 S主任: そうしてみた。この「半分斜張橋」3つ、扇状に配置して膜屋根を支えるわけだ。
D職員 D職員: マストと膜を支えるフレームの間にダンパーを入れたのはなぜですか。
S主任 S主任: 地震力をとにかく伝えたくないんだ。今回構造的に大変厳しいから。
C主任 C主任: ここが剛結されていると、力が全部マストに伝わってしまうだろ、するとマストもそれに負けないよう、さらに丈夫なゴツいものが必要になってしまうからだよ。
S主任 S主任: ただ、みんなも容易に想像できると思うんだが、このままだとマストを中心とした回転に対して抗力が少ない。そこで横方向にもケーブルやフレームを加えたよ。
©前田建設
©前田建設
S主任 S主任: 結局全体が結ばれることでしっかりした構造にできた。両サイドは結局、ターミナルビルとしてしまったので、完成CGでは、さらに強固な構造になっている。これは断面図だけれど、奥に灰色枠で縁取られた白い長四角の建物がそれだ。
©前田建設
なるほど斜張橋の感じがします
©前田建設
D職員 D職員: この断面を見せている建物は何ですか。
S主任 S主任: 屋根の下にあるターミナル/基地の中央部になる。心臓部だな。
B主任 B主任: 左側の黒いチューブの中を新交通システムが走るんやな。そこからダイレクトにターミナルの3Fへと行けると。
C主任 C主任: よく見ると747−400Fへの貨物搬入用に、スロープがちゃんと付いているんだね。
S主任 S主任: ま、今回は楽しく仕事させてもらったよ。今回は世界初の救助隊基地ということでかなり新規性の強い、特殊な設計になっているから、正直、設計や計算をちゃんと進めていくと、変更点は山積みだろうけどね。
D職員 D職員: コストダウンも、謎の大金持ちがスポンサーだから関係ないですしね。
S主任 S主任: 内装的には、なんら普通の空港ターミナルとかわらないよ。逆にがっかりさせちゃったかも知れないけれど。
©前田建設
停まっている飛行機の向きが列車的で、乗降時間の短縮を狙っています
©前田建設
C主任 C主任: 大丈夫だよ。ここが基地のときにどうなるかは、この後、オンワードさんがすばらしいイラストで表現してくれてるらしいから。
B主任 B主任: 楽しみやな。しっかしこの向きで飛行機とめるの、パイロットさん大変なんちゃう?
S主任 S主任: 確かに一時は鉄道よろしく、固定のプラットフォームに飛行機が滑り込んでくる感じで検討していたんだが、やはり難しい、特に翼とのクリアランス関係がね、大掛かりな昇降装置を必要としてしまうので、結局通常のボーディングブリッジを使ったよ。
D職員 D職員: この大屋根の下でエンジンをかけても大丈夫ですかね。
S主任 S主任: ANAさんからいただいた資料に基づいて、物理的に取らなければいけない離間は確保してあるよ。屋根とはいえ壁の部分は大きく開放しているから、空調関係の計算はしていないけど。
D職員 D職員: この膜構造が夜間は光を透過して、上空からきれいに映るんじゃないでしょうか。
S主任 S主任: それを期待しているよ。この救助隊がドンドン発展して、この格納庫が増築されていっても、美しさが増していくような意匠を考えたつもりだ。こんな感じで。
©前田建設
飛行場に咲く、光の花畑
©前田建設
C主任 C主任: これは綺麗だな。
B主任 B主任: さっきの鉄道のチューブが「茎」になって、花が開いているようだね。
S主任 S主任: 海に浮かぶデルフィニウムの花をイメージしている。光がこぼれる感じが、うまくいったかな。
D職員 D職員: ここから夜発進していくのは、さぞかし綺麗でしょうね。
C主任 C主任: むしろハードワークから帰ってきた時、ホッとするんじゃないかな。
D職員 D職員: 飛行機の印象もずいぶんと影響するだろうねえ。
B主任 B主任: ANAさんのトリトンブルーそのままでも、十分さわやかやけどなあ。
C主任 C主任: 同じ青系統で、オリジナルペイントがあっても良いかもしれないね。
・・・ということで、お忙しいのにも関わらず前田からANAさん有志の皆様に無理を言って、オリジナルペイントお願いしてみました!
©ANA
IRSのロゴは<メカチーム>のワークウェアの色から採ってくれています
ご担当の皆様、大変お手間かけました。
©ANA
B主任 B主任: これは窓が全部ないから、貨物専用の「F」タイプやね。
D職員 D職員: よく見ると、各社のロゴまで入れていただいてます。
C主任 C主任: うちの基地デザインの薄く青い夜景によく合いそうだ。
次のページへ
ページの先頭へ
膜構造:*1
この場合、屋根の材料に鉄やコンクリートといった材料でなく、布など柔軟な薄肉材料を使うことを意味する。
 
前田建設オフィシャルサイトトップへ 免責事項
Maeda Corporation