2014年11月10日津波避難施設を併設した湘南白百合学園幼稚園新園舎が完成

<概要>

 平成26年10月、湘南白百合学園幼稚園(学校法人湘南白百合学園:神奈川県藤沢市、理事長:深堀シヅ子)新園舎が完成しました。新園舎は三菱地所設計(本社:東京都千代田区、社長:大内政男)が基本計画及びコンストラクションマネジメントを担当し、前田建設工業(本社:東京都千代田区、社長:小原好一)が設計及び施工を担当しました。津波災害避難と魅力ある幼稚園の両立をテーマにしている本建物は藤沢市津波避難施設整備事業費補助金決定第1号案件です。

 新園舎は前田建設工業が保有する津波避難シミュレーション技術を活用して設計され、児童・身障者等の避難を円滑にするためにスロープを配置し、想定される最大津波から幼稚園児を含め、近隣小学校児童・近隣住民など約1600人の避難を可能としました。

 外観デザインは、平常時に津波避難ビルであることを感じさせず明るく楽しい幼稚園らしいデザインを重視し、ハード・ソフト両面で津波災害に備えるとともに園児が安全に過ごせる魅力ある幼稚園を実現しました。

 

可愛らしさと湘南の風をテーマに明るい白色・桜色のコントラストと曲面から構成される外観

 

<建物諸元>

所在地 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-10-1
主要用途 幼稚園(津波避難施設併設)
工期 平成25年10月20日~26年9月30日
敷地面積  3,696m2
建築面積 1,313m2
延床面積 2,351m2
階数 地上3階
建物高さ  約12m ※第一種低層住居専用地域内であるが、藤沢市認定手続により12mに緩和
構造 鉄筋コンクリート造 ※津波防災地域づくり法等に則った耐波性能を保有する構造とする
避難可能人数  約1600人
建築主 学校法人湘南白百合学園
基本計画+CM   株式会社三菱地所設計 ※CM:コンストラクションマネジメント
設計者 前田建設工業株式会社一級建築士事務所
施工者 前田建設工業株式会社東京建築支店

 

<津波避難ビルとしての性能>

三菱地所設計と前田建設工業は設計に際して、学園及び地域避難の有り方の検討、実際の避難時間の検証等を通して避難機能の最適化を図った結果、次の機能を有した建物を実現しています。

想定される最大津波からの安全高さが確保できる屋上、3階に約1600人避難できるスペースを設置
津波避難シミュレーションにより避難しやすさを検討し、避難スロープ、外部避難階段(2か所)を設置
津波災害に耐えられるように柱、梁は鉄筋コンクリート造とし、外壁は乾式壁を採用
地震災害を考慮して、法規定の1.5倍以上の耐力を確保
3階に発電機等を設置し、防災倉庫を併設。簡易トイレ他、非常用資材を備蓄し、非常時の滞在が可能

 

 

津波避難シミュレーション画像

 

<新園舎としての性能>

園庭と屋上部分にはゴムチップ舗装を採用。園児達が靴を履き替えることなく園庭に飛び出し安全にのびのびと遊ぶことができます。

 

 

エントランスホールにはステンドグラスのやさしい光が差し込み、保育室は大きな窓により十分な採光を確保。登園・降園時に園児が準備をする廊下は巾約3mと広々しています。LED照明や窓のガラスは安全に配慮し、飛散防止タイプを採用しています。

 

 

大ホールは部屋の長辺方向に張出しステージを配置したことにより園児の演技を間近に見ることができます。400席以上設置できる広さに加え、外のバルコニーも観覧席として利用可能です。

 

 

<問い合わせ先>

〒102-8151 東京都千代田区富士見二丁目10番2号

前田建設工業株式会社 広報グループ

電話:03-5276-5132

 

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