2016年02月23日地下空洞等の寸法・形状・体積を測定するリングビームスキャナーを開発~空洞を迅速かつ安価に測定~

<概要>

 前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小原好一)およびNPO法人三次元工学会(神奈川県横浜市鶴見区、代表:吉澤徹)は、リングビームデバイスを用いて、地下空洞等の寸法・体積・形状を迅速かつ安価に計測可能な、リングビームスキャナー“サターン”(SATURN)を開発しました。

 

 リングビームデバイスとは、円錐ミラーで円盤状に反射させた半導体レーザービームにより、測定対象内部の光セクショニング形状を取得する装置です。この光セクショニング形状をCCDカメラで捉え、位置情報に基づいて繋ぎ合わせることで、測定対象物内面の三次元形状を測定します。これまで、リングビームデバイスを利用した内面形状測定は、自動車等の各種部品やパイプ・配管、あるいは医療用内視鏡への応用を目的に実施されており、直径数ミリから数センチ程度を測定対象としていました。今回開発したリングビームスキャナー“サターン”は、広角レンズや高出力の半導体レーザー等を用いることで、直径数メートルまでの測定に対応します。

 

 今回開発したリングビームスキャナー“サターン”は、地下空洞等の寸法・体積・形状をわずか数秒程度で計測することができ、従来型のスキャナーと比較すると大幅な時間短縮やコストダウンが可能です。また、計測用プローブに内蔵した3Dモーションセンサーにより位置や姿勢を補正するため、計測用プローブをワイヤーで引き上げる等の手軽で簡易な方法で精度の良い測定が行え、持ち運びにも優れています。このため、地下空洞以外の対象物にも広く適用することが可能です。

 

<適用先>

 廃坑や地下施設等の調査、災害時の空洞・陥没等の調査、廃止トンネル等の充填工事における注入材出来形確認、ダム現場等における現場密度試験の体積測定、タンク等の内部形状調査など

 

<問い合わせ先>

〒102-8151 東京都千代田区富士見二丁目10番2号

前田建設工業株式会社 総合企画部 広報グループ

電話:03-5276-5132

 

リングビームスキャナー“サターン”の仕様につきましては下記添付ファイルをご参照ください。

地下空洞等の寸法・形状・体積を測定するリングビームスキャナーを開発

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