2018年11月16日地中拡幅工事における円周シールドの推進機構(三次元方向制御)を実証~地山を露出しない円形外殻工法「CS-SC工法」のコア技術~

<概要>

 前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:前田操治)は、地中拡幅工事における円形外殻工法「CS-SC工法(Circular Shell structure system with Shield tunnels by Cuttablesegments※1)」(平成28年6月特許取得、図1)の3大コア技術の一つである、外殻シールドの発進基地を構築するための「円周シールド工法」の実証試験を行っており、年内に公開します。

 

 前田建設工業が開発した「CS-SC工法」は、既存トンネルの外周に構築する円周シールドを発進基地として、縦断方向のシールドトンネル(外殻シールド)を連結して外殻部を構築する工法であり、以下の3つのコア技術で構成されます。

 

(1) 既設セグメントに沿わずに土中で方向制御が可能な円周シールド工法(図1、図2、写真1)
(2) 止水補助工法として最も信頼性が高い地盤凍結工法であるセグメントフリーズ工法
(3) 地山が露出しないセグメント切削シールド工法

 

(1)

円周シールド工法について

 既設セグメントをガイドとして施工するこれまでの円周シールドとは異なり、既設セグメントからはなれた土中に外殻シールド発進用の大空間を構築します。そのため三次元方向制御の技術が重要となり、現在、実証試験を進めているところです。円周シールド工法の推進機構は以下の通りです。(図1、図2)

円周シールド機のカッターで掘削しながらスライドジャッキ(伸び)で前胴を前進させます。
元押しジャッキ(伸び)で円周セグメントを前進させると同時にスライドジャッキ(縮み)を行います。

この時、土水圧を受けている前胴が後退しないように元押しジャッキ(伸び)とスライドジャッキ(縮み)を同調させる必要があります。

 

図1. 円周シールド工法の概要

 

図2. 円周シールドの推進機構

 

 この推進機構実証のため、外かく環状道路で想定している円周シールド機(約12m×6m)を模擬した1/6スケールの円周シールド機(2m×1m)実験装置を製作しました(図3、写真1)。

この装置による実験の確認事項は以下の通りです。

1) 土水圧相当の負荷を掛けた状態で、スライドジャッキ伸縮による前胴の方向制御
2) 土水圧相当の負荷を掛けた状態で、スライドジャッキ(縮み)と元押しジャッキ(伸び)の同調
3) 上記2)の状態で前胴が後退しないこと

 

図3.円周シールド機の実証試験装置の概要

 

 なお、3つのコア技術のうち、(2)のセグメントフリーズ工法については、平成27年3月に技術開発業務として実証試験を行い、(3)のセグメント切削シールド工法については、平成28年7月に大規模実験により実証が済んでいます。

 

写真1.円周シールド機の実証試験装置

 

<今後の展開>

本工法の実証により、地中拡幅工事における円形外殻工法の技術をより確実なものとして行く予定です。

 

※1 

CS-SC工法のリリースはこちら。

(2016年6月15日、コア技術の(2)セグメントフリーズ工法、(3)セグメント切削シールド工法の概要も含む。)

「地中拡幅工事に向けたシールドトンネルによる円形外殻工法の開発」

http://www.maeda.co.jp/news/2016/06/15/4816.html

 

「CS-SC」は、前田建設工業株式会社の登録商標です

 

<問い合わせ先>

前田建設工業株式会社 総合企画部 広報グループ

電話:03-5276-5132

 

地中拡幅工事における円周シールドの推進機構(三次元方向制御)を実証

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