2020年08月25日「木鋼組子」を開発、渋谷道玄坂13階建てオフィスに初適用~サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)に採択決定~

<概要>

 前田建設工業株式会社(本店:東京都千代田区、社長:前田操治)は、株式会社ホルツストラ(社長:稲山千華子)と共同で開発、特許出願中の木と鉄骨を組合わせたハイブリッド耐震システム「木鋼組子※1」(読み:モッコウクミコ)を東急不動産株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:岡田正志)の「(仮称)道玄坂一丁目計画」に初適用、2022年度の完成を目指します。本計画は、7月30日に国土交通省が発表した「令和2年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)※2」に採択されています。

 

<詳細>

 近年、公共建築物のみならず民間の都市型建築物にも木造のニーズが増加し始めている中、前田建設工業は都市型木造を拡大する要素技術の一環として、木と鉄のハイブリッド耐震システム「木鋼組子」を開発、ホルツストラと共同で特許を出願しました。また、耐震要素に木を使用することで耐火建築物でも木をあらわしにできることを活かし、デザインと構造を融合した技術となっています。
 適用一号となる本計画は、渋谷駅に近接する道玄坂地区に位置する13階建てのテナントオフィスビルで、そのスリムな形状と角地という特性を活かした二面のファサードに木鋼組子を配し、賑わいの中心地に木の温かみを与える建築を目指しています。この計画を狭小地におけるハイブリッド木造高層オフィスビルのプロトタイプとして整備することで、都心における木材利用の普及促進をはかります。

 

<計画の背景>

 戦後の拡大造林で植林された人工林が、現在まさに利用期を迎えていますが、その一方で林業従事者の減少など森林・林業にかかわる社会課題が多く存在しています。2019年に創業100周年を迎えた前田建設工業は、次の100年に向けて総合建設業から総合インフラサービス企業への大きな変革を目指しており、その中で森林もまた重要な社会インフラの一つと捉え森林・林業とのかかわりを木材資源総合活用事業として推進しています。「伐って、使って、植えて、育てる」という森林の持続的な循環において様々なパートナーと共に価値を創り、社会に実装する活動を行っており、これらの取組はSDGsの目標達成にも貢献します。

 

※1 「木鋼組子」:前田建設工業株式会社が商標出願中です。 出願番号:商願2020-092402
※2  令和2年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型):再生産可能な循環資源である木材を大量に使用する大規模な木造建築物などの先導的な整備事例について、木造建築物などに係る技術の進展に資するとともに普及啓発を図ることを目的にする国土交通省の事業。先導的な設計・施工技術が導入される大規模な建築物の木造かを実現する事業計画の提案を公募し、支援対象として適切と思われる提案が採択されます。

 

■(仮称)道玄坂一丁目計画概要

所  在 東京都渋谷区道玄坂一丁目30番12、13(地番)
交  通 JR・東京メトロ銀座線・半蔵門線、東急田園都市線ほか「渋谷」駅徒歩6分
用  途 事務所、店舗
敷地面積 約170m2
延床面積 約1,4002
構  造 鉄骨造、一部木造
階  数 地上13階
高  さ 約45m
事  業 者 東急不動産株式会社
設  計 前田建設工業株式会社
竣  工 2022年度(予定)

 

外観イメージ

 

内観イメージ

 

位置図

 

なお、同日付で事業者である東急不動産株式会社からも、リリースが発表されています。

https://www.tokyu-land.co.jp/news/2020/001143.html

 

<問い合わせ先>

前田建設工業株式会社 経営革新本部 広報部

電話:03-5276-5132

 

「木鋼組子」を開発、渋谷道玄坂13階建てオフィスに初適用

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