＜概要＞
前田建設工業株式会社（本社：東京都千代田区、社長：前田操治）は、岐阜工業株式会社（本社：岐阜県瑞穂市、社長：宗像国義）と株式会社ケー・エフ・シー（本店：大阪府大阪市、社長：髙田俊太）の協力で、背面平滑型トンネルライニング工法（FILM）※における防水シート継目の溶着が可能な『FILM用防水シート自動溶着システム』を開発・実用化しました（図1）。
＜詳細＞
本システムは、FILM用台車に設置した走行用レールや自走式溶着機、牽引用バランサーで構成されています（写真1）。トンネル形状に加工された走行レールに沿って溶着機が移動できることから、隣り合う防水シートをトンネル内空形状に沿った適切な重なり具合で溶着することができます。溶着機の自動走行は、溶着機ローラー部の動力を利用するとともに、牽引用バランサーにて溶着機を支持することによりスムーズな走行が可能となります（図2、写真2）。
従来施工では、専用作業台車の上下に配置した3人の作業員が、狭い台車内で1つの溶着機を順次手渡ししながら移動して溶着していますが、本技術を導入することにより、溶着不良の発生リスクを大幅に軽減し、品質が向上すると同時に、狭い空間で複数の作業者を必要とする苦渋作業から、自走する溶着機を1人で操作する軽微な作業に替えることが可能になり、生産性も向上します。
また、従来施工では熟練工の技量により、トンネル形状に合わせて溶着機を操作していましたが、本技術を導入することにより、技能習得中の作業員でもトンネル形状に沿った安定した高品質の溶着が可能となり、技能労働者不足への対応策として寄与する技術です。
当社は現在、本技術を北海道新幹線、内浦トンネル（静狩）他工事に導入中です（写真3）。今後は他現場への展開とともに、当社が開発したFILM技術を核とした防水工の自動化技術の開発を推進していく計画です。
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吹付けコンクリートの凸凹部と型枠に設置した防水シートとの空隙に裏込め充填材等を充填することにより、覆工コンクリート背面を滑らかなトンネル形状に仕上げ、防水シートを全面接着する工法です。 |
図1 FILM用自動溶着システム技術概要図
写真1 システムを構成する設備機器
図2 自走式溶着機の機能概要側面図
写真2 自走式溶着機の上面全景写真
写真3 防水シートの自動溶着状況
＜問い合わせ先＞
前田建設工業株式会社 経営革新本部 広報部
電話：03-5276-5132