2023年06月14日三次元鉄骨建方精度管理システム 「建方ナビ」を開発(特許出願中)

 前田建設工業株式会社(本店:東京都千代田区、社長:前田操治)は、鉄骨建方の精度を立体に可視化し直観的に把握することができる、鉄骨建方精度管理システム「建方ナビ」を開発しました(特許出願中)。

 

 安全・安心な建築物の提供のために、鉄骨建方精度の品質確保、不具合の未然防止手段の確立は、建設業界における重要課題の一つです。
 立体的な管理が必要とされる鉄骨建方は、従来の2次元の図面やシステムによる精度管理では、下節(下層階)の柱の位置にずれが生じた場合に、作業者はずれの方向を覚えておいて上節(上層階)の柱の位置(倒れ)を調整する必要がありました。そのため、ずれ方向の勘違いや下節から累積したずれが把握しにくく、建物全体で大きく柱のずれ・倒れが生じる品質不具合となる可能性がありました。
 この解決のため、柱の上下節の状態と建物全体両方のずれ・倒れを管理できる3次元の精度管理システムとして、本「建方ナビ」を開発しました。このシステムの可視化機能により、作業者の熟練度に依存せずに精度よく鉄骨建方の管理が行えるため、「高齢化、担い手不足」を抱える建設業において、技術承継への課題解決にも貢献できると考えております。

 

 本「建方ナビ」は、鉄骨建方時や溶接完了時点の柱の計測結果をクラウドに読み込むと、計測時点での「柱の倒れ」を自動計算し、管理値超えを自動判定して立体架構にて可視化して警告するため、以下のようなメリットがあります。

1. クラウドによる立体架構の共有化
  関係者間の情報共有が円滑かつ図面などの2次元管理よりも理解しやすい
鉄骨建方時や溶接完了時点の「柱の倒れ」を自動計算・自動判定・警告するため分かりやすい
2. 下節(下層階)の柱位置のずれ(建方精度)を反映し、上節(上層階)の計測結果を表示
  2次元管理では表現しにくかった柱のずれ・倒れが一目で分かる
建方の進捗段階での架構の柱と建物全体の精度管理が容易であり、品質不具合の見逃し防止につながる
3. 計測結果を表す伏図や立体図をそのまま記録書類として出力可能
  品質管理記録の写し間違いなどの人為的ミス防止や、書類作成にかかる労務低減により生産性向上につながる


 本「建方ナビ」は、特許出願中(特許出願公開番号:特開2023-870)であり、既に2件の採用実績があります。今後は、全国の鉄骨造の作業所で活用していく予定です。

 


図1 建方ナビ画面例(立体架構)

 


図2 建方ナビ画面例(節毎の伏図)

 

<問い合わせ先>
前田建設工業株式会社
経営革新本部 広報部
E-Mail:maeda-release@jcity.maeda.co.jp

 

三次元鉄骨建方精度管理システム 「建方ナビ」を開発(特許出願中)

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