地中拡幅工事に向けた
シールドトンネルによる
円形外殻工法「CS-SC工法」
~地山を露出しないセグメント切削シールド工法~

技術の概要

都市部では地上の民家の密集や地下の輻輳化した利用により、トンネル同士の分岐合流を構築する際に地上からの開削ではなく地中の作業のみで施工されることが望まれています。本CS-SC®工法(Circular Shell structure system with Shield tunnels by Cuttablesegments)~切削セグメントシールドによる円形外殻工法~は、トンネルの分岐合流部地中拡幅部を非開削で安全確実に構築する工法です。

技術の特徴

  • 図-1のように中口径シールドトンネルを連結させて分岐合流部を包含する大断面の外殻を構築し、安定性を確保した中でトンネル同士の切り拡げを実施することで、安全確実に施工を行うことができます。
図-1 CS-SC工法による地山の露出がない外殻シールド概要

〔 要素技術 〕

(1)切削セグメント

セグメントの素材をシールド機のカッタービットで直接切削できる材料とした特殊なコンクリートセグメント「切削セグメント」を用いてトンネルを重複連結します。

鉄筋の代わりに炭素繊維やガラス繊維、骨材には軽量骨材を使用します。(図-2)

図-2 切削セグメントによるトンネル連結実証試験の状況

(2)地盤凍結工法(セグメントフリーズ式)

セグメント内に凍結管を配置しセグメント全体を凍結させることで、外周に凍土による止水ゾーンを形成します。これにより施工中の止水性を確保します。(図-3)

図-3 地盤凍結工法(セグメントフリーズ式)

(3)円周シールド工法

分岐合流させる2本のトンネルの周りを一周するシールドトンネルを施工することにより、外殻シールドの発進基地を地中で構築します。

(4)多重止水バリア構造

複数の止水対策を外殻シールドの中に実施し、完成後も長期止水性を確保します。

メリット

  • 非開削で拡幅部の構築を行うことができます。
  • 出水の恐れがある砂質地盤での適用が可能です。
  • 外殻シールドにより地中切り拡げ時の地山の安定が確保でき、安全な施工ができます。
  • 施工時の確実な止水が可能です。
  • 地表面沈下等の周辺への影響を最小化します。
  • 地下水環境への影響を最小化します。

特記事項

適用工種
トンネルの拡幅
関連資料
http://www.maeda.co.jp/news/2016/06/15/4816.html
備考

特許取得済み

「CS-SC」は前田建設工業株式会社の登録商標です。