VIVOVA VOL.119 2023 SUMMER
11/16

8トントラックが目いっぱいの搬入条件のため、1フロア分を一節とした部材構成で組み上げることにしました。そのため、規模に対してピース数が多い状況となります。加えて、新東館に隣接する特別教室棟屋上の天体観測ドームが、東館の上まで張り出しており、その下に鉄骨を差し込む作業が必要です。既存建物ギリギリのところまでクレーンのブームを寄せて鉄骨を設置する慎重な作業が必要でした。また、使用できるクレーンの大きさにもヤードの広さにも制約があるため、鉄骨を下の階から順に建ててしまうと、上階の鉄骨を組み立てることができません。そこで、全体を区画分けして、その区画ごとに屋根材まで楊重して次の区画に移る建て逃げ方式での作業を行いました。後工程で施工不可能な状況が生まれないよう、BIMを使った詳細なシミュレートを踏まえて施工に入りました。なお、先行して楊重する屋根材の製作期間も考慮すると、屋根の色などの仕様を早めに決める必要があります。学園の建築委員会の先生方とはその点も考慮して打合わせをする必要がありましたが、屋根の色を決めるにしても、建物の形が見えていないなか完成状態をイメージするのは難しいものです。そのため、施工検討用とは別に仕上り状態をイメージしていただくための意匠BIMを用意して打合わせを進めました。今回の建築は、学校に生徒さんがいる状態での「居ながら」の工事になります。単に新築建物を一棟建設するのではなく、既存棟との接続をするために、使用している校舎においても工事が必要となるため、長期休暇などの学校のスケジュールに合わせた工程管理が必要になります。また、入学式や卒業式、定期テストのタイミングなど桜蔭学園の学校行事における環境確保も重要なため、先生方とのコミュニケーションを密にして作業時間を調整しました。    2020年7月のコンペから始まった物件ですが、その後の大きな社会変動により、品質・安全・コストなどコントロールが非常に難しい案件となてきた状況でご満足いただける仕様に至ることができたのは、学園の先生方と良いコミュニケーションを醸成できた結果だと考えています。 初めての所長という役目ですが、らっています。心身の健康を維持できてこその仕事なので、職員のワーク・ライフ・バランスを大切にしながら、最後まで安全に工事を進めたいと思います。現場を支える職員のワーク・ライフ・バランスを大切に完成を目指す(所長談)The Document of Maeda's Site(仮称)桜蔭中学校高等学校東館建替計画↑実際の隣接する天体観測ドームとの鉄骨建方施工状況鉄骨建方施工状況本郷桜蔭学園作業所所長  足立有希鉄骨建方施工状況(2023/1/28)←隣接部との 鉄骨建方施工BIM学園・近隣対応学園、および近隣住民とのコミュニケーションを密に取りりりり、常に工事の状況などを説説説説明。学校向けにはA3サイイイイズのパンフレットを毎月発行行行行し、近隣住民への説明にににににも利用している。りてに生で現現りま場し経た験。豊そかんなな中仲、間最に終支形えがて見えも体育館施工状況(2023/4/11)本郷桜蔭学園作業所副所長 定岡聖二副所長として工事全般を担当しています。ヤードも道路も狭い中で、屋根鉄骨をどう組み上げていくかというのが最大の難題でした。職人さんや協力会社の方々とどうやったら実現できるか、何度も話し合いを重ねました。若手のメンバーが多いこともあり、副所長という立場にはこだわらず現場に出るようにしています。本郷桜蔭学園作業所小俣笙悟入社5年目で新築の現場は2カ所目となります。現場での工事進捗・調整を中心に担当しています。作業スペースが狭く、搬出入のタイミングが重要な現場です。図面からの変更が入ることもあるため、対応力が必要です。主任がいない現場なので、自分に任されている部分も大きく、やりがいを感じています。プール施工状況プール施工状況1O   桜の保護移植旧東館の周囲にあった八重桜から枝を採取。接ぎ木を行って苗木に育て、最終的に2本程度を新東館の外構に移植する予定。

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る