VIVOVA VOL.120 2023 AUTUMN
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日田5号トンネルは、2022年7月からの仮設工後の10月から着工となりました。2023年削を終える予定です。現在は掘削作業中ですが、その後の覆工コンクリート工やインバート工などの工程も含め、多様な工夫を重ねることで、約半年の工期短縮を目指しています。この現場の大きな特徴として、前田建設の最先端の技術を駆使したICT施工の導入があります。発破工法で掘削していくのですが、「ナビゲーション機能付ドリルジャンボ・3Dスキャナー」の採用による、高精度な穿孔と、スムースブラスティング工法(SB工法)による効率的な発破掘削を行っています。穿孔ナビゲーション搭載のドリルジャンボでは、地山の性状に適した穿孔計画データをフィードバックし、高精度な穿孔を行うことで、余掘り量を約法によって、トンネル外周孔の間隔を狭めて1孔当たりの火薬量を低減しながら発破を行い、掘削面を平滑に仕上げて、亀裂などの損傷も抑制しています。 トンネル工事につきまとう突発的な切羽の崩落などの防止のため、支保工の建込みには「鋼製支保工建込みロボット」が活躍しています。 建込みロボットには、支保工を保持して建込みを行うブームセンサーを内蔵したエレクターと、コンクリートの吹付けを行う吹付けアームが備わっています。センサーでエレクターの位置を自動計測し、左右の支保工を大まかな位置まで移動。測定用プリズムを標準として設計位置まで支保工を移動して建込みます。最終位置に調整すると、吹付けコンクリートを施工します。 支保工には無人施工継手用のクイックジョイントが天端に備わっており、建込み時の接続作業に人の手を必要としません。 ロボットの導入により、早期に支保を構築できるため、地山の緩みを防止し、不安定化した場合の異常変状や崩落を抑制できます。そして、通常は4名必要な切羽の立ち入り作業に人員を配置する必要がなく、作業者の安全の確保と共に人員不足の補填にも寄与できます。 また、ロボットを使った作業では支保工の建込み時間の短縮に加えて、二次吹付けをオーバーラップして施ICT施工により発破工法においても効率的な作業を実現ロボットの導入で作業を一新安全な環境を確保発破土砂ずり出し発破によるずりは2機の重機で取り除き、ホイールローダーで可動式クラッシャーへ運搬。破断した後、牽引タイプのテールピース台車を経由してベルトコンベアで搬出する。ダンプでの搬出に比べ、クリーンな環境が保たれている。穿孔ナビゲーション画面地山性状に適した穿孔計画データのフィードバックによる高精度な穿孔が可能イーグルアイ Ⅱ ↓イーグルアイ Ⅱ 車両搭載可能AIカメラ「EagleEye®II」をトンネル施工機械すべてに装着。危険ゾーン内に人を検知すると、警告音と共にモニターにアラートが表示され、運転者に通達。現場における重機の接触事故を防いでいる。坑口外部ベルトコンベアストレージカセット設置状況防じん・吸音カバー     ↓日田5号トンネル作業所副所長岩吉政輔ICT導入、無人化施工など、トンネル工事の現場が大きく変わっています。私も初めてのことが多かったのですが非常に順調で、効果の大きさを感じています。ベルトコンベア導入も有効で、クリーンな現場のノウハウが蓄積されています。トンネル経験者が所長と私だけで、若い社員が多いのですが、みんな積極的に動いてくれています。初期坑口施工状況初期坑口施工状況初期坑口施工状況(2022/10/23)(2022/10/23)0/23(2022/10/23)o966%低減できます。さらにSB工12月いっぱいを目標にトンネル掘  ベルトコンベア設置ずりをトンネル内で破断して、ベルトコンベアで坑外の残土置場まで運搬する。抗口外部ではベルトコンベア上に防じん・吸音カバーを設置して近隣配慮を行う。

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