VIVOVA VOL.120 2023 AUTUMN
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入道雲も立ち上る梅雨の晴れ間躍中と聞き、東京都北区の再開発事現場に伺いました。現場は十条駅すぐの立地で、高棟の工事現場を見上げると既にいぶ高く感じましたが、まだ17階コンクリート打設方法を実践しています」と現場を案内していただいた上野副所長と藤原課長。さっそくその方法を教えてもらいました。現場1階でコンクリートを施工階に送る圧送場所には、生コンダンプを従えた赤い圧送車が豪快な音を立てて生コンクリートを押し上げ、赤く頑丈な圧送管からは、力強い音と振動が伝わってきます。まるで生きているみたい。この圧送管は、各階に計画通りに空けられた穴を上階へと通過しながら施工階にあるディストリビューターという赤いコンクリート打設機に繋がっています。そう、これが今回の秘密道具!い、打設が終わるとその都度、「床や梁の打設には、通常は、その施工階で四方八方に分かれる横引き配管を設置して行その横引き配管を取り除きながら施工するという手法でした。しかも高層階だとタワークレーンも使ってコンクリートホッパーで高層施工階まで運ぶ手法でしたが、手間も人員も必要で安全管理にも気を遣いました」。赤くてまるで象の長い鼻のように長いディストリビューターの腕は、器用に施工階の隅々まで自由に伸ばせるので、従来のような面倒な横引き配管を必要とせず、しかもコンクリートの打分けも可能。打設口に専任者を配置すれば梁や床など、所定の自由な位置に打設できるとのこと。すごい能力ですね!しかも自力でクライミングするのでタワークレーンを必要とせず、設置は施工階とその直下階をアウトリガーという装置で支えられる優れもの。海外では約30年前から主流の手法だったようですが、コスト面などで国内ではなかなか採用されなかったそうです。「この手法は、単にコスト面だけでなく、今後の建設業界において人手不足や安全性の課題を解決していく可能性が大いにありますね」。たしかに、今まで無かったのが不思議なくらいの手法ですね。建設現場にはまだまだいろいろなチャレンジできる場所があるのですね。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ザ現場検SHOw完成予想図十条西口再開発作業所 副所長 上野和馬(左) 課長  藤原俊悟(右) 1111ほほ「どど「「「どどこのの高現さ場なでのはで、今すねま!でとは違う高高さささになるそうです。まだまだ半分階階もももの高さになり、北区では一番のに躍躍工工層層だだののに、ま工工工事た中もとやの現こ場とで。完秘密成す道る具とが39活■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■工事名/十条駅西口地区第一種市街地再開発事業 施設建築物発注 者/十条駅西口地区市街地再開発組合工事場所/東京都北区上十条二丁目1001番工  期/2021.3〜2024.11工事内容/地下2階・地上39階・塔屋2階 住宅棟・商業棟他 新築工事■■■■■■  建建設設現現場場ににみみるる    ふふししぎぎなな真真実実、、意意外外なな種種明明かかしし・・・・イラスト&テキスト モリナガ・ヨウ1966年東京生まれ。イラストレーター、画文家。早稲田大学教育学部卒(地理歴史専修)、漫画研究会出身。主な著書に『モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた』『図解絵本東京スカイツリー』『築地市場 絵でみる魚市場の一日(第63回産経児童出版文化賞大賞受賞)』■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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