1999(Vol.40)



17.袋詰め軽量モルタル材を用いた水中盛土地盤の地震時挙動に関する研究

吉田隆治,高橋 浩, 柳澤太一

  [要旨]
 海底軟弱地盤上に埋め立て工法による大規模な土地造成を行う場合,盛土荷重による基礎地盤の不同沈下や側方変位が大きな問題となる.この問題に対する対策のひとつに盛土材を軽量化し,基礎地盤への荷重を軽減する方法がある.本論文では袋詰めされた軽量モルタルで構築された水中盛土地盤の耐震安定性を振動実験と簡単な理論解析によって検討した結果を報告する.以下に検討結果を示す. ① 地震時の水中盛土地盤の地表面沈下量は袋詰め材の材令に依存し,まだ固まらない状態で袋詰め材を  投入することで盛土地盤の沈下は抑制される.                      ② 比重1.5の袋詰め材を用いた水中盛土地盤では地震時の過剰間隙水圧の上昇は見られない. ③ 本工法による水中盛土地盤の強度定数は確認できていないが,まだ固まらない状態で袋詰め材を投入することで,かなり強度の高い地盤が構築できたことが振動台実験および静的震度法による検討結果から推測される.
 


キーワード: 耐震, 振動台実験, 水中軽量盛土工法, 袋詰め投入工法, EPS, 軽量モルタル, 軟弱地盤