1999(Vol.40)



22.さぐり削孔データを用いた切羽前方地山の性状予測に関する研究(その2)

橋詰 茂井,井上博之, 伊藤毅浩

  [要旨]
 山岳トンネルでは従来から,切羽前方の地山性状を把握するために「さぐり削孔」が行われてきた.著者らは,この「さぐり削孔」時に得られる削孔速度や打撃圧,フィード圧等のデータから求めた打撃エネルギーと呼ぶ指標を用いて,切羽前方の地山性状を定量的に評価出来ることの可能性を示した.  山形自動車道関谷トンネル工事では,継続的に「さぐり削孔」を行っている.ここで得られた打撃エネルギーの値や深度方向への増減等を用いて地山評価基準を作成し,適用した結果,以下の知見を得た.  ①打撃エネルギーの出現パターンを用いた地山評価基準は,切羽評価点の評価に比べて危険側に誤答し   たものが約30%含まれていた.しかしながら,評価区分を修正していくことにより,適用は可能であ   ると考えられる結果を得た.  ②安山岩と泥岩という成因の異なる地質に対して,打撃エネルギーは,値やバラツキ,深度方向への増   減傾向が変化する距離等に違いが現れることが明らかとなった.
 


キーワード: 山岳トンネル, 切羽前方探査, さぐり削孔, 地山評価