2000(Vol.41)



18.TBM掘進データを用いた地山判定基準の作成

橋詰茂,井上博之

  [要旨]
近年,日本の複雑な地質にも対応可能なTBM(Tunnel Boring Machine)が開発され,施工件数・延長は増加の傾向を示している.当工法の特徴の一つでもある高速掘進能力を発揮させるためには,TBM掘進中に得られる情報から地山状況を推定し,天端や切羽の崩落・地山の膨張による締め付け等といった地質的要因によるトラブルを未然に防止する必要がある. 筆者らは,TBM工事で実際に得られた施工データを用いて,掘進停止時期を判断する掘進限界判定基準を作成した.その結果,以下のことが明らかとなった. TBMが掘進困難となる状況は,機械データと地山データを用いることによって推定することが可能となった. 地山データは,評価項目・区分を層別することにより,同一の観点で判断することが可能となった. 機械データは,β値と呼ぶ単一の指標で地山状況を推定することが可能となった.
 


キーワード: 山岳トンネル, TBM, 地山評価