2001(Vol.42)



12.柱主筋のプレート定着工法に関する研究 (その2)L・T型柱梁接合部の耐力・変形性能

成瀬忠,渡邊朋之, 青田晃治, 山本憲一郎

  [要旨]
プレート定着工法は,従来の折曲げ定着させる方法に比べ,柱梁接合部の配筋が簡素化でき,施工性も良いため多用されるようになってきている.しかし接合部のコアコンクリートの内部に定着する梁主筋の場合と異なり,柱主筋へ適用する場合は,コアコンクリートの外周に定着部が位置する条件の悪さから使用上の制約が設けられている.また,最上階の梁上端筋は,直交梁などによりスタラップが配筋できないため,JASS5では水平部分は定着部とは認められず,折り曲げ定着の垂直部分のみで所定の定着長さを確保することを求められている.この考え方からもプレート定着の適用外とされていた.前報1)では,柱主筋へプレート定着工法を適用した場合の柱梁接合部のせん断強度を把握するため,梁主筋はU型定着としたL型柱梁接合部架構実験を実施したが,本報では,実施工に即した梁主筋の定着方法を模擬した試験体により,設計で要求される接合部強度を有し,なおかつ柱頭に降伏ヒンジ設けた場合でも十分な変形性能をもつL型およびT型柱梁接合部の構造形式を立案し,その性能を架構実験により確認したので報告する.
 


キーワード: プレート定着, 鉄筋コンクリート, 柱梁接合部, 構造実験, 耐力評価式