2001(Vol.42)



19.TBM掘進データを用いた地山判定基準の作成その2

久慈雅栄,井上博之,橋詰茂,南浩輔

  [要旨]
TBM(Tunnel Boring Machine)工法は日本の地質に適合するように改良が進んだことにより適用事例は増加しているが、トラブルを未然に防止することがTBMの特徴を引き出す上で重要な課題の1つとなっている。 筆者らは、前報でTBM工事で実際に得られる施工データから、地質的トラブルが発生する前にマシンを停止させる判定基準を作成した。本報では、これを現場で運用するにあたりリアルタイムに判定するために修正を加え、崩壊時のデータを用いて基準値を作成し、その有効性を確認した。その結果、以下のことが明らかになった。 ①リアルタイムに判定するために、ズリ評価点(18点)、β値平均(0.3)、β値変動幅(±0.1))を設定した。 ②判断基準を再発進区間と地質変化区間で評価した結果、基準はほぼ妥当であった。 ③判定基準の意味合いは、カッターヘッド近傍で発生している小崩壊のモニタリングと評価された。
 


キーワード: 山岳トンネル, TBM, 地山評価