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PROJECT04 世界初、民間国際ロボット救助隊を創ろう編 パート4:人と機械が手を結ぶということ
オリジナルの機械へ
部員たちは興奮と驚きを隠せないままその日を過ごし、後日、飯田橋本社で〝コマツ・テクノセンタ〟での体験を念頭に話し合った。コマツさんからいただいた建機のカタログをめくりながら、国際救助隊に必要な新しい重機について検討するためである。
A部長 A部長: じゃあ我々が〝コマツ・テクノセンタ〟で見てきたものを参考に、国際レスキュー部隊専用の救助向け作業機械を考えてみよう。
D職員 D職員: (カタログを見ながら固まっている)
B主任 B主任: おう、どないした、アニメ青年。握りこぶしを作って。
D職員 D職員: コマツさんとは私、何かが繋がっているような気がずっとしていたんですが、今、その謎が解けました。見てくださいこのページ・・・
PC300LC
お手元に「へえっ」ボタンを準備して、お待ち下さい。
©コマツ
B主任 B主任: なになに。「すべての切断作業に最適な移動式シャー。高い作業能力を備えた高効率マシン。ダイナシャー。シャー専用機・・・カタログにシャー専用機が載ってるんかい!
C主任 C主任: D君的には、赤くて、角でもついてれば、ばっちりだったかな。
D職員 D職員: シャアでなく「シャー」という、ちょっとバッタモノっぽいネーミングセンスも含め、建設業に身を置きながら今日までこの存在を知らなかった自分が悔しいです・・・。
B主任 B主任: わかった。救助隊で一台これ買うてもらえるよう交渉したるから、ほたら一日キャブの中で「いきマース」とか「ばらしマース」とか「つみマース」とか、こころゆくまで言うたらええ。
D職員 D職員: いや、それガンダムですから。こっちはジオンですし。
B主任 B主任: 話もどすで。被災地に着いて、まずレスキューロボット達に要救助者を探索してもらい居場所がわかったとする。しかしその間に瓦礫の山や火災がある場合が問題や。2次災害が起きないようレスキュー隊員を安全に送り込むための機械が必要ちゃうか?
C主任 C主任: そうだな。たとえばテレスコピッククラムシェルを横に使えるようにして、その先を特殊バケットにしてレスキュー隊員が入れるようにする。それを瓦礫の山に突っ込ませて、要救助者が居るところに着いたらバケットを開き、隊員が出てきて救助するってのはどうかな?
コマツさまカタログ画像を改造
例えばこんなイメージでしょうか。(コマツさまカタログ画像を改造)
©コマツ
D職員 D職員: ん?ん?でもクラムシェルはバケットを開いた状態で突っ込ませるとまずいですよね。チューリップでいえば、瓦礫などを突進したり火災部分を突破するときはつぼみの状態で閉じたままで、人を発見するとつぼみが開き、人を入れて又閉じて救助するってことでしょうかね?
B主任 B主任: ほう。なかなかいいんちゃう?お前さんの世界でたとえればゲッターロボGのゲッターライガーの左腕のようなもんや!どうや、わかりやすいやろ。あの番組は、見てたんや。
D職員 D職員: その通りです。救助者のところに行くまでは音速のごとく早くて、救助者にたどり着いたら、めちゃめちゃ優しく包む。
B主任 B主任: バケットの外は水噴射で温度上昇を防ぎ、バケットの内には強力送風で有害ガスの侵入を防ぐ。ええな。この案ええな。
C主任 C主任: このアイディアを持ってコマツさんへ行ってみようか。
ファンタジー部員は地下鉄に乗ってコマツさんに向った。アイディアに自信がありワクワクしながら地下鉄の駅を降りたが、数分後にそれは砕け散ることになる。コマツさん会議室にて、再び荒川氏、石橋氏と向かい合う。
石橋氏 石橋氏: う〜ん。それって1番大事な、要救助者への影響を忘れてませんか?
C主任 C主任: 確かに「つぼみ」でズボっと進んでいったら、つぼみそのものや、押し出した瓦礫などが、要救助者に当たったりするかもしれませんね。
石橋氏 石橋氏: なので、このアイディアは斬新で面白く、今までにないのでいいとは思いますが、2次災害が起きてしまうような作業機は、作れませんね。
荒川氏 荒川氏: われわれも先日お話をいただいてから考えていたのですが、こんなのはどうでしょうか。(おもむろにスケッチを取り出し)
スケッチ01
なんか凄いことになってきました
スケッチ02
©コマツ
B主任 B主任: これ、ほんますごいなぁ。チューリップなんていうアイディアが恥ずかしゅうなるわ
D職員 D職員: 本当ですね〜。これって細かいところまで考えられているんですか?
荒川氏 荒川氏: まだディテールまでは決まっていません。今回は『国際ロボット救助隊』が、民間航空機で飛行場に到着して、速やかに現地に向かい、レスキューロボットが見つけた要救助者のそばまで行って救助活動を行うことを主眼におきました。
C主任 C主任: タイヤ式なんですね。
荒川氏 荒川氏: 到着した空港に救助車両を運ぶ車があるかわかりませんし、万一あっても途中の道路に倒木や瓦礫、橋が落ちているなど状況が非常に悪くなっている可能性もあります。そのため、この車両は、クローラー式(無限軌道。鋼板をつなぎ合わせた輪を駆動輪とかみ合わせて動かすもの。)ではなく、タイヤ式にしました。タイヤ式の弱点である不正地での走破性が低い点については、8輪駆動仕様にしました。これならよっぽどの軟弱地盤でない限り大丈夫です。タイヤはパンクの恐れがありますので、ノーパンクタイヤを採用します。最高速度は高速道路での移動があるかもしれませんので、120km/hとします。
B主任 B主任: 120km/h・・・うちの車より早いんちゃうか。
D職員 D職員: わくわくしますねぇ。これなら重機専用の輸送に気を使わなくていいですからね。
B主任 B主任: そうやな。救助って、時間との勝負でもあるからのぉ
石橋氏 石橋氏: いえいえ。時間だけ考えていてもだめですよ。先程のチューリップアイディアは瓦礫をかき分けた際に要救助者を傷つけてしまう可能性があるので、これは基本的には瓦礫を上から撤去する方法で考えました。そうなると油圧ショベル等の自由度がある作業機が必要ですね。
C主任 C主任: 災害現場っていろんな状況を想定しながらこういう作業機を考えないといけないんですね。
D職員 D職員: チューリップアイディアは、人を救助するってことしか考えていませんでしたね。その際にいろんな状況を考えなきゃいけなかったんですね。。
D職員 D職員: この前面についてる象の鼻みたいのが作業機ですか?
石橋氏 石橋氏: そうです。これは、いわばパワーショベルの腕と思ってください。どんな状況にも対応できるようにアタッチメントをいくつか装備できるようになっています。油圧ブレーカ、フォーク、バケット、クレーンなどの機能がありますね。
油圧ブレーカ 油圧式フォーク
油圧ブレーカ   油圧式フォーク
バケット
バケット
さまざまなアタッチメントで救助に威力を発揮します
©コマツ
C主任 C主任: ただ、こんな大型のブレーカを使ったら瓦礫の下にいる要救助者への影響が大きすぎるんじゃないですか?
石橋氏 石橋氏: そんな時は、小さいハンマードリルや油圧ジャッキを使うのですが、この車両のもうひとつ特徴として、この絵では見えませんが前面の下部に「油圧とエアの分岐口」があります。ここに油圧ホースをつないで、救助隊が通常使っているような小型の油圧ジャッキやスプレッダを使って救助できるんです。
C主任 C主任: つまり複数隊員による様々な救助を同時に可能にするという機動性も併せ持つわけですか。
D職員 D職員: すげぇ。そんな秘密が隠されていたとは。重機から油圧ホースが四方八方に広がって自由自在に威力を発揮する・・・うん。まるでガンダムにおける「インコム」だな
荒川氏 荒川氏: あとは、車両をタイヤ式にしたので安定した作業が出来るように車両前方にアウトリガーの装備が必要ですね。
D職員 D職員: アウトリガーって、あの虫の足みたいなやつでしょ?
B主任 B主任: 虫か、象かは人それぞれだが、横に張り出す固定用の装置や。
荒川氏 荒川氏: 作業機自体を支える安定脚のことです。
D職員 D職員: 燃料にガソリンを使うのは災害現場では危険ですよね?
石橋氏 石橋氏: はい、そうですね。ディーゼルは点火栓を用いないので構造が簡単で故障が少なく、熱効率がいいんですよ。
B主任 B主任: 軽油ってことやろ?
石橋氏 石橋氏: えぇ。このように考えていきますと見た目は装甲車に近くなりますね。乗員数に関しては実際の装甲車よりも少ないです。要救助者を乗せないといけませんからね。車両自体を運転する人、作業機を操作する人、救助隊員4名です。要救助者2名で全8名になります。
これでどうでしょうか。
B主任 B主任: これ、完璧やな〜!!
スペック
全長 6900mm
全幅 2480mm
全高 2350mm
重量 17000kg
エンジン 水冷インタークーラターボディーゼル
出力 450ps*1
乗員数 6名+2名
アタッチメント バケット・ブレーカ・フォーク・クレーン
外部油圧出力 油圧3系統、空圧3系統
以上、国際民間ロボット救助隊は、コマツさんのご尽力により「誠にそれらしい」専用機械の開発を、机上プラン限定ながらもしてしていただけることになった。今後の動きが楽しみである。来月は、国際救助隊の基地と、その日常がどのようなものになるのか、検討します。
次回ファンタジー営業部 国際民間ロボット救助隊編「Part05 ある日の救助隊基地」10月31日(火)公開予定。どうぞお楽しみに。
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*1
1ps=約0.7kw
 
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