VIVOVA VOL.115 2022 SUMMER
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着工は2020年10月、地盤を※ GNSS : Global Navigation Satellite System : 人工衛星(測位衛星)を利用した全世界測位システム支える山留工事では、RG杭打機を採用し、初期段階から工期短縮、さらには地盤改良工法と共に環境負荷の低減を実現しました。この地盤改良工法は現場の土砂を流動化処理して均質な地盤にする工法のため汚泥が出ず、環境に配慮した工法です。掘削工事では、BIMを用いた掘削図によるICT重機コントロールを採用。G※NSSによる位置情報とリンクさせ作業を進めました。正確さだけでなく、安全性という点でも有効な工法です。並行して主に揚重作業用の構台を設置し、基礎躯体を完成させました。鉄骨建方では、建て逃げ方式を採用。これは敷地の奥から鉄骨を組み、順にクレーンを手前方向に移動させながら施工していく工法です。この施工でもBIMは効果を発揮しています。最初にBIMによるステップ計画図を作成し、それを参考に、構台を撤去しつつ、4台のクレーンを移動させながら施工。工期短縮と施工の確実性も向上しました。そのほか、内部干渉の検討もBIMを使って行いました。建物は斜めの配置や形状の異なる部材が多用されており、構造が複雑です。鉄骨梁と間接照明やダクトとの干渉などを、あらかじめ確認してから施工することで、スムーズに進められました。さらに、外部足場についても、BIMで図面作成をしてから組立てを行っています。そうすることで、跳ね出し部の鉄骨との干渉や外壁との関係性が明確になり、作業性に優れた足場が実現できました。 この現場は隈研吾建築都市設計事務所がデザインを担当していることもあり、革新性やこだわりを感じさせる意匠が多くありました。 例えば外壁に用いる押出成形セメント板は風合いを生かすため、通常は裏に用いる面を表にして使っています。大ホールでは、大空間実現のため天井に大型のトラス鉄骨を使用します。長さが約35mもあり、一度の搬入が困難なため、3部材に分けて地組して設置します。 また外廊下部分の天井などにはアートテックパネルを使っていますが、その裏側にある配管や構造部分環境配慮工法を初期基礎工事から採用施工方法の見える化による確実性の向上デザインのこだわりを実現する対応力鉄骨梁ブレースと舞台機構の干渉トラス組立状況トラス組立状況況トラス組立状況鉄骨建て逃げ施工状況(2021/5/20))鉄骨建て逃げ鉄骨建て逃げ施工状況(2021/5/20)鉄骨建て逃鉄骨骨骨建て建てて逃げ施工状況20)2200220)0)20況(況状施状施げげ(2況(状状げ施げ施げ施工工状状況(2(22021/5/205/202021/52宇都宮東口コンベンション作業所主任 寺田 涼太躯体では鉄骨建方を、現在は内装部分など躯躯担当しています。大谷石の施工にも関わりを担ました。取り付けが大和貼りなので、精度のまし高さを求められる作業だと感じました。現場で微調整することもありました。この現場では、その他にも特殊な工法を学べたほか、主任としての経験も積むことができました。鉄骨梁とダクトの干渉建物配置図BIMによる干渉検討建物内部の鉄骨梁とダクト、あるいは鉄骨梁ブレースと舞台機構の干渉などは、あらかじめBIMによる3Dモデルを使って検討。このことにより、スムーズな施な施工が可能になりました。BIM図面の作成により、作業性の向上はもちろん、時間のかかる材料発注時の拾い業務をソフトで範囲選択するだけで数量が分かり生産性の向上を実現。RG杭打機油圧バイブロ併用圧入工法の杭打機。穴を開けずに鋼材を地盤に挿入可能。工期短縮に加え、残土が発生しないため環境負荷が低減。基礎躯体施工状況基礎躯体施工状況基礎躯体施工状況基礎躯体施工状況o9外部足場BIM    

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