VIVOVA VOL.115 2022 SUMMER
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プールの中にいる生活に気が付けば毎日が初めてのオリンピックでの銅メダルは喜びよりも悔しさがあった──水泳との出会いについて教えてください。──中学になると練習も本格的になり、たいへんではなかったですか?──オリンピックを初めて意識したのはいつでしたか?6カ月のときからだと聞いています。水泳についての一番最初の記憶は、小学生のときにレース中に背泳ぎのタッチを手ではなく頭でやってしまい、そのときの「ゴーン!」という衝撃ですね(笑)。気が付いたら、毎日プールの中にいる生活でした。ですが、そこで通ったスイミングスクールはものすごく練習量の多いところでした。練習はたいへんでしたが、それでも続けられたのは、上の学年の人たちと僕は栃木県小山市出身で、泳ぎ始めたのは生後小学校1年生のときに名古屋市に引っ越したの話ができるのが楽しかったからなんです。1年半ほどで小山市に戻り、中学は宇都宮市にある作新学院に進学します。まさに水泳漬けの生活を送りました。たいへんだという気持ちよりも、楽しいという思いのほうが強かったですね。今までで一番楽しかったのはいつかと聞かれたら、中学2年生のときと答えます。それくらい毎日が充実していました。中高一貫の学校だったので練習は高校生と一緒でしたし、高校生になったら、今度は全日本の合宿にも呼ばれるようになりました。そんなふうに先輩方と一緒に練習するのは、その後世界大会に出るようになってからもすごく楽しかったですね。うことよりも、初めての大きな大会でのレースだ、という意識のほうが先に立っていました。周囲にいて、周りを見ながら「わー、すごい」という気持ちでいっぱいでした(笑)。2008年に、オリンピック選考会となる日本選手権に初めて出場しました。ただ、まだ中学2年生でしたから、この先にオリンピックがあるといは北島康介さんを始めとする錚々たるメンバーが 次の2012年の日本選手権を経てロンドンオ元競泳選手1994年生まれ、栃木県出身。生後6カ月から水泳を始める。小学校低学年から学童新を更新し、中学以降も各年代の新記録を樹立。17歳で初出場となったロンドンオリンピックでは400m個人メドレーで銅メダルを獲得。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは400m個人メドレーで金メダル、200m個人メドレーで銀メダル、4×200mフリーリレーで銅メダルを獲得した。2017年4月より所属先のブリヂストンと5年契約を締結。2021年には東京2020オリンピックで入賞。3大会連続のオリンピック出場後、現役を引退。現在、日本体育大学大学院に在学。o2iveActKOSUKE HAGINOInterview    萩野 公介

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