VIVOVA VOL.115 2022 SUMMER
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ケガで学んだ選手の心構えとリオデジャネイロオリンピックでの金メダル──その結果、2012年に高校生でロンドンオリンピックに出場となりましたね。──ロンドンオリンピックでは400m個人メドレーで銅メダルを獲得されました。──リオデジャネイロオリンピックを翌年に控えた2015年、事故で大ケガをされました。どんな気持ちで乗り越えたのでしょうか?──リオデジャネイロオリンピックでは、見事金メダルに輝きましたね。気持ちの変化はありましたか?リンピックの代表に選ばれるのですが、そのときもオリンピック出場は結果として付いてきたものであって、目的だったわけではありませんでした。実はその前年の世界選手権の代表選考会で、出場して100パーセントの泳ぎをするということに集中していたと思います。のときのタイムが自分でも驚くほどいいものでした。「もう少しいいタイムならメダルに手が届く」と、そのとき初めてオリンピック、そしてメダルというものを意識したように思います。れから何をしても〟元オリンピック選手〝という肩書きが付きます。例えば交通違反でつかまったら、〟元オリンピック選手が交通違反〝と報道されますよ」という話でした。それを聞いてようやく、「オリンピックに出場するってこういうことなんだ」と、その社会的影響を肌感覚として理解しましたね(笑)。体調を崩して出場を断念するというとても悔しい経験をしていました。いくら練習を積んできていてもトラブルひとつで、それを発揮する機会すら失ってしまうんだという緊張感もあって、まずは万全の体調で決勝にオリンピック選考会で優勝できたのですが、そもうひとつ、出場が決まって言われたのが、「ここのときはメダルラッシュで、チームとしても盛り上がりました。初めてのオリンピックで、メダルが取れたことはよかったんですが、2位との差がわずかだったこともあって、同時に「3位で悔しい」という気持ちも湧き上がってきました。世界でトップを取る、次のオリンピックでは金メダルを取りたいということを強く思った大会でもありました。また、オリンピック代表になったことでトップ選手たちと一緒に海外合宿をしたり、多くの貴重な経験をさせてもらったことも、その後のモチベーションにつながったと思います。練習を重ねて、どんどん実力が付いていく実感がある中でケガをしてしまったことは、もちろんすごくショックでしたし、落ち込みました。ただ、こんなことであきらめていては、ロンドンオリンピックの悔しさを拭いきることはできないという気持ちが強くありました。まだ時間はあるし絶対何とかすると考えて、とにかくできることして、選手のマネジメントに徹していました。選手で、何をアドバイスしたらいいのか」「相手が自分ことを考えるきっかけになりました。ことが実感として理解できたと思います。相手のイスは活きてこないということを学び、選手としても心を成長させることができた、大切な時期      ということです。銅メダルの場合は、逆に言えばケジュールを逆算して、選考会から本番に向けてベストな状態を作っていく必要がありますし、負に取り組みました。「あきらめない」という気持ちはものすごく強かったと思います。一方で、この時期に得たものもたくさんありました。マネージャーとして大学のチームに参加と向き合いながら、「この選手は今どんな気持ちの言葉をどのように受け取っているか」といったそのおかげで、自分が選手のときは周囲の言葉やアドバイスをどう受け取るべきか、周りがどんな気持ちで声をかけてくれているかといったアドバイスを受け入れる気持ちがないとアドバとなりました。練習へのモチベーションもさらに上がりました。金メダルを取るということは、誰にも負けない2人に負けてもいいわけですから、その点では気持ちが全然違うんです。金メダルを取るには、スけないための練習、そして本番の泳ぎが必要です。負傷した肘とうまく付き合いながら練習し、万o3

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