VIVOVA VOL.115 2022 SUMMER
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県都・宇都宮の整備事業交流のためのコンベンション施設設計者の意図を汲み取っての施工宇都宮駅東口地区で進行中の再開発。私たちは16社からなるコンソーシアム(共同企業体)として、事業を進めています。選定理由には、まず16社のうち8社を、地元である宇都宮市の企業にしたことが挙げられるでしょう。そして宇都宮で採掘される石材として名高い大谷石を、大々的に外観や内観に使用するという設計案も評価されました。大谷石に関しては、コンソーシアムの一員である隈研吾建築都市設計事務所に採掘現場を実際に見てもらい、その山並みを駅前に再現するというコンセプトが生まれました。外壁に大谷石を使い、同時に樹木などをふんだんに配置するといったものです。東口地区全体では複合施設の建設なども進行していますが、われわれが担当しているのは、中央にあるコンベンション施設です。宇都宮駅からエントランスまでは徒歩2分と、ほぼ駅直結の施設となっています。メインとなるのは2000人を収容できる大ホール。床面は平土間となっており、可動間仕切りで2分割することも可能です。このほかの構成要素としては、低層棟と高層棟があります。低層棟には複数の小会議室があり、屋上部分は交流広場となっています。一方高層棟の1階部分にはホワイエと控え室、2階には大会議室。そして3階部分にはステージなどが用意された中ホールがあり、講演会などのほか音楽イベントも開催可能になっています。 なお、1階のエントランス部分には交流広場があるのですが、ここは水景施設となっており、常時1㎝程度の水の膜が張られています。その奥には、ベンチも用意された大階段。駅前の広い憩いの空間とさいらっにた※L様R相Tをの呈路し線てがいま隣す接。しているのも特徴のひとつでしょう。広いエリアから人々が集まる施設になることが期待されます。この事業では隈研吾建築都市設計事務所がデザインを担当したこともあり、こだわりの強さを感じる設計が随所に見てとれます。そんな設計に対して前田建設は、図面を単に具現化するのではなく、設計者の意図をきちんと汲み取りながら、品質確保のための様々な検討を行っていただいており、施工品質の高さを感じています。 また、駅前の公共性の高い施設ということもあり、宇都宮市とのやり取りも定期的に行われますが、B※IMを使った画像での情報提供などは、会議場面での対応も非常にスムーズでした。 そしてこの建設現場のさまざまな記録を、定点観測やドローンによる映像などで、できる限り残している点にも安心感を持て、自治体を含めて情報共有ができました。 初期からの工事映像などを拝見していると、まさに今、新しい街が生まれていく様が実感でき、この事業に携われたことが、非常に感慨深いものになりました。宇都宮らしさをコンセプトにした駅の東口地区にふさわしい交流拠点※BIM : コンピューター上に作成した3Dモデルに情報を一元化する手法※LRT : 次世代型路面電車3階交流広場(完成予想図)3階交流広場(完成予想図)大ホール(完成予想図)大ホール(完成予想図)中ホール(完成予想図)中ホール ホワイエ(完成予想図)施工方面上空小会議室(完成予想図)2017/8月上空より現場を望む施工方面上空大会議室(完成予想図)野村不動産株式会社都市開発第二事業本部建築部推進一課長川鍋 佳史氏野村不動産株式会社都市開発第二事業本部商業事業部事業二課課長相場 奈津子氏o7o77o7o7o7o77o7o7oo7        

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