ネットワークの構築から始まるダム建設現場岩盤強化対策を経て急ピッチで進む本体ダム工事岐阜県の亀尾島川流域で2016年3月より建設が進む内ケ谷ダムは、2028年3月の竣工を目指しています。形状は重力式コンクリートダムで、堤高は84・2m、堤頂長は261・5m、堤体積は約33万㎥という大規模なものです。アクセスルートや転流工などの準備工の多くは地元業者による施工です。それと並行して当社が最初に取り組んだのは、左岸のアクセストンネルの工事と伐採工でした。なお、奥深い山間部のため、モバイル通信が活用できず、Wi|Fi環境のインフラ構築が重要となりました。広域な現場でのICT活用が工事の要となっています。画像や映像を交えて打ち合わせることが可能で、もはや欠かせない現場システムとなっています。ダムサイトの設計時に、左岸側・右岸側ともに避けたい断層や地盤のゆるみが存在したため、内ケ谷ダムの形状は、R(半径)の大きな曲線重力式コンクリートダムとなっています。そして工事では2017年9月に、本体基礎掘削作業中に地山の右岸側上部で、開口亀裂が発見されたため、その対策工が必要となりました。約7万㎥の掘削工と、そこを約6万㎥の造成岩盤に置き換えるための対策工を実施しました。 これらの対策工により約9カ月間の本体工事中断期間を余儀なくされました。2019年10月にも、左岸側でも岩盤変状が発生したため、緊急盛土を行い、その後、斜面をアンカー工で補強しています。 現在では本格的にコンクリート打設を中心とした堤体の施工サイクルを急ピッチで進めています。 現場のダムサイトの地形は複雑で、加えて、両岸の岩盤強化対策により建物配置図掘削形状は、当初の計画に比べ、より複雑な地形・ダム形状となりました。そこで、地形やダム形状を3Dデータ化し、当社ICI総合センターの3Dプリンターで立体模型を作成しました。作成した立体模型などによりダム構造などが可視化され、施工の確実性が向上し、発注者などへの説明にも役立っています。 その他、自動計測による気象・設におけるICT導入のメリットが、さまざまな場面で感じられる右岸造成岩盤置き換え部分上流側上流側3Dプリンター出力による立体模型ダムサイト施工状況(2022/11/末)ICT設備の設置山間部の広域現場は、モバイル通信サービスのエリア外となっています。各種ICT機器を利用するため、Wi-Fiのアクセスポイントを各所に設置しました。最適な位置を探る必要があり、設置箇所の検討を重ねました。現法法設が現場面に観も測なデっーてタいのま共す有。等、ダム建WEBカメラアクセスポイント設置アクセスポイント設置内ケ谷ダム作業所 副所長滑川 和臣入社以来、ダム建設に関わってきました。この現場は、規模に対してヤードが狭いところが難点。大型車両も多いので、運搬ルールなどをしっかりと定めて安全確保に努めています。現場のすべてを担当する副所長にとって、手応えがある仕事です。昔見ていたダム工事の先輩方に、少しずつ近づけているのかなと実感しています。←左岸左岸WEBカメラ準備工の伐採工で、伐採後の木材の運搬に索道を設置して利用するので、地の利のある地元の方々の協力が欠かせません。下流内ケ谷ダム作業所 機電主任向田 雄貴現場全体の機械と電気設備の管理、計画を担当しています。非常に設備が多い現場なので、1人ですべてを管理するのは難しく、大切なのは、実際に操作されている方とのコミュニケーションだと感じています。また、現場が広いので、WEBカメラや音声通話などを利用してリモートで対処することもあります。ダムサイト施工状況(2017/10/26)基礎掘削が進むダム堤体工事右岸→o9伐採工
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