日本の表玄関でもある成田国際空港。その滑走路に面した広大な貨物倉庫の工事現場に伺いました。すでに旅行気分の旅客達で賑わう駅かから反対側の、普段あまり見慣れなない倉庫群を抜けていくと、現れたののは広大な敷地の現場。さっそく木村村主任と小池課長に現場を案内してていただきました。「貨物倉庫は大空間になるため、その中中心部分の長い鉄骨柱は、搬入可能能な長さの鉄骨柱を現場で特殊な方方法で溶接し、長い鉄骨柱にしてからら建てています」とのこと。その特殊なな方法とは?興味津々です。簡単単に言うと、現場ヤード内に水平な溶溶接作業用のスペースをコンクリートトで作り、山留材を土台にして『パワーーリング』という丸くて大きなリンググを4個設置、その中心部分に水平ににした短い鉄骨柱を挟み込み、鉄骨のの上に乗って溶接します。4面ある鉄骨柱の1面を溶接し終わると、4つのリングを同時にゆっくり回転させて次の面を溶接していき、長い鉄骨柱を作る方法とのこと。「この方法で一番大変なのは、溶接前の準備ですね。繋ぎ合わせる短い鉄骨柱を互いに水平垂直かつ歪みのない位置で正確に『パワーリング』へ設置することに細心の注意をはらって作業しています」。一番長くなる鉄骨柱は約20mの高さにもなり、一本で運んでこれない鉄骨柱は全部で74本も必要とのことなので、外部で製作された長い鉄骨柱を苦労して運んでくるよりも現場で長くした方がいろいろ都合が良さそうですね!「資材が短い鉄骨柱だと搬入も可能です。しかも工事中の倉庫現場には、地中梁が一面に張り巡らされているので、容易に重機も近づけません。短い鉄骨柱を溶接しながら上に建てるとなると溶接用足場の設置など、かなりの手間を要しますが、『パワーリング』で長くしてからクレーンで建てることで施工の手間も減り、高所作業に伴う災害リスクも低減します。また、地面近くのヤードで水平な状態で下向きに溶接できるので溶接の品質精度も格段に向上します」。なるほど。高所での溶接だと火花は散るし、施工する鉄骨柱一本一本に、いちいち上り下りしながらの溶接作業で、しかも横向きでの溶接も多いのでかなり大変そうです。やはり、これだけの本数をこなしていくには今回の工法はかなり施工効率も良くなり安全な方法ですね。昨今では、溶接技術者の高齢化もかなり進んでいるようで、今回の『パワーリング』のように安全で容易に作業できることは高齢化する人材の問題にも良い解決策になりそうですね。■■■■■■■■■■■■ザ現場検SHOw完成予想図画像提供 : 成田国際空港株式会社工事名/第8貨物ビル新築工事発注 者/成田国際空港株式会社工事場所/千葉県成田市成田国際空港内工 期/2022.6〜2024.7工事内容/倉庫、鉄骨造、地上2階成田第8貨物作業所 主任 木村智彦(右) 課長 小池信也(左) 1111■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 建建設設現現場場ににみみるる ふふししぎぎなな真真実実、、意意外外なな種種明明かかしし・・・・イラスト&テキスト モリナガ・ヨウ1966年東京生まれ。イラストレーター、画文家。早稲田大学教育学部卒(地理歴史専修)、漫画研究会出身。主な著書に『モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた』『図解絵本東京スカイツリー』『築地市場 絵でみる魚市場の一日(第63回産経児童出版文化賞大賞受賞)』■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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