2014年05月26日大口径シールドで工期短縮できる二重回転カッターの効果を確認

前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小原好一)はカッターが内外の二重構造でそれぞれ独立回転するシールド実験機を製作し、模擬地盤による掘削実験を行いました。これにより、内カッターの回転速度を上げることでシールド機の掘進負荷を低減させ掘進速度が向上できることを確認しました。

 

近年、シールドは大深度、長距離化の傾向にあり、それに伴い高速施工が重要視されています。しかし大断面では外周部の周速度に対して内周部のそれは極端に小さく、内周部の切削性能および攪拌性能の向上が課題となっています。例えば外径φ16mのシールド機を毎分1回転させた場合、最外周のビットは毎秒約80cmの速度で動くのに対し、半径1mの位置に取り付けられたビットは毎秒約10cmでしか動きません。

 

そこでシールドマシンのカッターを内外の二重構造とし、内カッターを高速回転させるシールド機が着目されてきました。海外では既に何件か実例があり、国内でも各種の構造が特許出願されています。しかし国内大深度の地質に対し適用した場合の掘進速度向上の効果については知見が乏しく、これまで実用化に至っていません。

 

そこで当社では、外径φ800mmの二重回転カッター実験機を製造、大深度の固結した砂粘土地盤を想定した模擬地盤を掘削する実験を2012年から行い、今回、同機構により掘進速度の向上が図れることを確認したものです。実際に掘進速度の向上を確認した実験は今回が初と思われます。

 

今後は、道路や鉄道の大断面シールドへの適用を目指します。

 

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大口径シールドで工期短縮できる二重回転カッターの効果を確認

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