2015年01月23日大型ビル同等の質感と機能を持つハイ・コストパフォーマンスな中規模オフィスビルについて~「飯田橋MKビル」の竣工と建築設計部門の移転~

<概要>

前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小原好一)は平成26年12月、ハイ・コストパフォーマンスな中規模オフィスビルのプロトモデル、「飯田橋MKビル」を竣工しました。本年1月より当社の建築設計部門が同ビルにて業務を開始しています。今後、同部門は自身で企画・設計した同ビルの3タイプのオフィスにて業務を行いながら、省エネ性能、快適性、業務効率性などを確認、仮説検証サイクルを回し改善していきます。「飯田橋MKビル」の各技術、設備、システムは、全てがハイ・コストパフォーマンスをコンセプトに企画・設計されており、大型ビルと同等の上質感や機能を持ちながらSimple&Smartなオフィスビルとなっています。

 

具体的には(図-1)、元々住宅用で、専用無線LANにより設置、変更、増設が容易、かつ室内の電力・温湿度・照度をブロック毎にリアルタイムに観測する「bee-monitor」、エクセルベースながら対象緑地の生物多様性を評価し、植栽・緑化計画をサポートするプログラム「HEALIN」などを投入しています。設計においては当社のみならず設備メーカーをはじめとする他社とも協働の上でBIMを活用、運用管理フェーズにおけるコストダウン等も試みます。以上、建築設計部門の職員が業務を行いながら、顧客目線で長期にわたり改善し続けることにより、当社の中規模オフィスビルの企画・設計に反映し、今後ますます高度化、多様化する発注者ニーズに応えてまいります。

 

図-1 「飯田橋MKビル」投入設備およびシステム

 

<建物諸元>

設計監理 前田建設工業株式会社 一級建築士事務所
施工

前田建設工業株式会社 東京建築支店

所在地

東京都千代田区飯田橋3-11-18

規模

鉄骨造地上7階

敷地面積842.42m2

建築面積657.35m2

延床面積4,492.01m2

 

図-2 「飯田橋MKビル」コンセプト図および外観パース

 

<投入技術など>

「bee-monitor」(電力・温湿度・照度計測システム)温度・湿度・照度のオフィス環境を「見える化」するシステム。低価格・低消費電力の複合型無線LANセンサにICTクラウドのソフト技術(Webベースのアプリケーション)を組み合わせた「電力・環境の見える化システム(サクサ(株)、(株)マイスター提供)」を活用しています。これにより電力使用状況は照明・コンセント・空調別のリアルタイムな観測が可能となり、各所の温湿度状況、照度のリアルタイム観測結果との関連性の確認やインテリアゾーン、ペリメータゾーンの温湿度特性、気流解析結果との比較などにより高度な省エネ提案、シミュレーション技術提案を行えます。システムの構成概要は次の通りです。

環境センサ:サクサ社製無線LANセンサ「WL110」
電力センサ:RS485接続+データロガー
サーバ:オンプレミス型


図-3 「bee-monitor」(電力・温湿度・照度計測システム)概要図

 

「見える化」については室内のブロック毎に、電力消費量・環境値の連続データを収集・蓄積し、フロア図やグラフ表現することで比較・解析・分析を容易にします。

 

「HEALIN」

都市部における建物外構の緑地等の、生物多様性評価プログラム。「生物環境の保全と創出」に関わる項目の評価点をエクセルベースで提案・誘導できます。具体的には

緑地の階層構造や植物の調査データを基にし、実際の生物多様性に裏付けられた「ハビタット評点」算出による評価
緑地の評価、具体的な植栽・緑化計画そして管理方法や外来種対策までの一貫的な取組の促進
目標設定と具体的提案の低コスト化
が特徴となっています。

 

図-4 生物多様性評価プログラム「HEALIN」概要図

 

「オフィスの試験的運用」

ハイ・コストパフォーマンスな中規模オフィスビルのプロトモデルとして、各フロアは異なる機能およびデザインを取り入れており、平成27年1月より当社建築設計部門が業務を行いながら、自身で企画・設計した5、6、7階のオフィスの省エネ性能、快適性、業務効率性などを確認し、仮説検証サイクルを回す「居ながら改善」を実施します。

 

図-5 各フロア特徴説明図

 

<問い合わせ先>

〒102-8151 東京都千代田区富士見二丁目10番2号

前田建設工業株式会社 総合企画部 広報グループ

電話:03-5276-5132

 

大型ビル同等の質感と機能を持つハイ・コストパフォーマンスな中規模オフィスビルについて.pdf

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