2015年09月08日BIMと連携した施設履歴管理システムを開発~ BIMモデルに『電子付箋』の添付機能を追加 ~

<概要>

 前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小原好一)は、施設履歴管理システム【アイクロア(1)】と【BIM】を双方向に連携させ、アイクロアに記録された<施設の修繕状況>や<管理マニュアル>などの情報を『電子付箋』としてBIMモデルに表示させる機能を開発し、2015年8月より運用を開始しました。

 

 アイクロアは、施設の管理担当者が、日々発生する各種履歴(2)を容易に記録、保存できる、インターネットを利用したシステムです。修繕情報や文書(写真、報告書、設備類の取扱説明書含む)は、テキストや電子ファイルとしてサーバーに保存されますが、アイクロアのユーザーより「長期間にわたり蓄積されたテキスト情報、文書や修繕場所などを直感的に検索、把握したい」などインターフェースに対する機能改善の要望が出ていました。

 そこで今回、アイクロアのオプションとして、保存された情報をBIMモデル上で可視化できる『電子付箋』機能を加えました。この可視化ツールにBIMビューアーを採用したことで、ユーザーのBIM習熟度によらず活用できます。また、BIMとアイクロアが双方向にリンクしているため、例えば、BIMに表示される機器の『電子付箋』をクリックするだけで直接、アイクロアに保存されている取扱説明書などのテキスト情報や文書を閲覧、入手できます。『電子付箋』機能がアイクロアに付加されたことで、端末内でも、実際の建物に付箋が貼られているかのようにわかりやすい各種情報の確認、閲覧が可能となり、検索も容易なことから、施設の管理や維持の情報把握が直観的となり、「予防保全」計画立案の効率化につながります。

 

 今後、BIMと連携したアイクロアの実運用を重ね、ユーザーとともに機能向上をおこない、施設所有者や施設管理者の維持管理業務の効率化を支援していきます。

 

<問い合わせ先>

〒102-8151 東京都千代田区富士見二丁目10番2号

前田建設工業株式会社 総合企画部 広報グループ

電話:03-5276-5132

 

<関連図版>

図1 システム概要

おたがいにクラウドで情報を管理する

 

<主な特徴>

(1) 施設の管理に必要な情報はアイクロアで管理します。BIMはそれらの情報を『電子付箋』で可視化します(図1)。
(2) 連携している主な情報は、修繕履歴(管理番号、部屋名、事象、進捗状況、修繕区分、など)と文書類(図面、取扱説明書などの電子ファイル)です。連携する情報の指定は、ユーザー側で任意に決めることができます。
(3) アイクロアとBIMビューアーは双方向で情報が連携します。
(4) BIMへの可視化はBIMビューアーを活用します。そのためアイクロアのユーザーは、BIMツールの購入や、BIMの操作知識は不要です。
(5) アイクロアのBIM連携機能は、アイクロアのユーザーが選択できるオプションのひとつです。そのため、アイクロアユーザーは、施設の管理方針に応じてアイクロア単体での活用かBIMとの連携活用かを選択できます。
(6) アイクロア運用開始後でもBIMとの連携機能に対応することができます。

 

図2 BIM​にプロットされた修繕情報

 

アイクロアに記録された情報がBIMに自動的に表示される。

各部屋の中心に表示されている黄色や赤色の図形などが『電子付箋』。

付箋(図形)は、記録されている修繕記録数、作業進捗や保全分類などの情報を表している。

 

<参考>

(1) アイクロア(ichroa)は前田建設工業(株)の商標登録です。2011年4月からシステムの運用を開始しており、すでに施設管理で80施設以上、インフラ管理で1地区の運用実績があります。
運用事例:東根市立大森小学校(山形県)|つくば太陽光発電所(茨城県)|株式会社シード鴻巣研究所1号棟、2号棟(埼玉県)|五葉山メガソーラー発電所(岩手県)|前田道路株式会社[けやき並木通り周辺地区道路等包括管理委託業務(東京都府中市)に活用中]他、多数
システムの詳細:https://www.maeda.co.jp/tech_service/detail/ichroa_bim.html
(2) 各種履歴:修繕・改善工事/法定内外点検状況/エネルギー使用量/設計図/取扱い説明書、など。

 

BIMと連携した施設履歴管理システムを開発

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