<概要>
前田建設工業株式会社(東京都千代田区、前田操治社長)は、岐阜工業株式会社(岐阜県瑞穂市、宗像国義社長)とマック株式会社(千葉県市川市、宮原宏史社長)の協力で、山岳トンネルにおける覆工コンクリート打設型枠を自動で設置可能な『セントル自動セットシステム』を開発し、現場へ導入しました。
<詳細>
本システムは、自動追尾トータルステーションによりセントル位置を測定し、設計位置と実測位置の差分値がセントル制御盤に無線自動転送されるとともに、セントル制御盤がその値に基づいて天端や側フォームなどを設計位置に自動的に移動する統合システムです(写真1)。既設コンクリートとのラップ箇所は、当社開発の「覆工施工継ぎ目の浮き・剥落防止システム」により、型枠が既設コンクリートに接触して所定圧力以上になった時点で自動停止する機能を付加させることにより、セントル全体のセットを完了します。また、従来は木材加工や木材設置など人力で行なっていた妻型枠設置作業を、ワンタッチ操作で伸縮可能な鋼製型枠やエアバルクにより、自動的に妻型枠を設置できる。更にセントル本体には自動走行機能も搭載しており、自動的にセントルセット位置まで移動可能なシステムです。
従来は6名で行なっていたセントルセット作業を2名で短時間に実施可能となることから、省人化や作業時間短縮による生産性向上が期待できます。また、下げ振りやスケールの人力目視により行なっていた位置合わせ作業をICTの活用と併せて機械化することにより、型枠の設置精度向上が期待できます。
前田建設工業は、施工中の国土交通省 中部地方整備局 尾鷲第四トンネルに本システムを導入しました(写真2)。今後は、現場適用する中で効果検証およびシステムの改善を進め、他のトンネルにも展開する計画です。
<問い合わせ先>
前田建設工業株式会社 総合企画部 広報グループ
電話:03-5276-5132
写真1 セントル自動システム全景
写真2 尾鷲第四トンネルにおける現場稼働状況