社員・グループ企業の社会貢献活動

社員・グループ企業の社会貢献活動

方針・考え方

当社では、ボランティア活動とは「社員が会社という組織を離れ、個人として社会や地域との接点を持てる機会」というだけでなく、ともに参加した社員同士が、役職や年齢、性別を超えた立場で同じ目的に向けて活動することで、新たな人間関係を築き、視野が広がる貴重な場だと考えています。また、そこで得た経験が、業務に新たな視点や価値観をもたらすとも考えています。
このページでは、社員や作業所、グループ企業などが実際に行った社会貢献活動の事例をご報告いたします。

社会貢献活動の取り組みと実績

建設業の特徴の一つに、「世界各地に事務所を構え、地域に密着して仕事をする」ということが挙げられます。当社は地域住民の一人、企業市民の一員であるという意識を持ち、作業所やグループ、個人などが自発的に社会貢献活動を行っています。特に施工現場では少なからず地域に影響を与えてしまうこともあり、地域住民との良好なコミュニケーションをめざしています。具体的には、地域行事の準備や参加、近隣清掃の実施により地域の一員としての役割を果たし、現場見学会の開催や工事新聞の発行により、工事に対する興味や理解を深めてもらう機会を提供しています。また災害時には、迅速な復旧活動やその支援を行っています。

これらの活動は、各支店・作業所からデータベースに登録し、イントラネットを通じて全社で情報を共有しています。2021年度は297件の活動が登録されました。なかでも特に優れた活動は、「社会・地域貢献活動奨励賞」として表彰し、さらに活動が活発化するように取り組んでいます。

地域とのコミュニケーション:【KPI】社会・地域貢献活動の取り組み

実績

豪雨災害時に於ける高齢者地区での貢献活動
【東北支店 長者原建築作業所】

  • 11 住み続けられるまちづくりを

山形県小国町にある当社作業所の寄宿舎付近において、2022年8月に国内歴代6位となる1時間149.0ミリの大雨が降りました。降り始めからの雨量は560ミリを超え、この豪雨によって近接する河川が氾濫し、寄宿舎付近一帯が冠水する事態となりました。
豪雨が去った後、近隣住民の皆様と共に地域一帯の堆積土砂の撤去や災害ごみの運搬、住民の方々の水没した車両を車庫から引っ張り出すなど、地域の災害復旧活動を行い、この地域は高齢者が大半ということもあり、住民の方々に大変感謝され、小国町や発注者からも高い評価をいただきました。 
作業所はその後竣工を迎えましたが、他の作業所においても近隣住民の方々に寄り添った活動を今後も積極的に続けていきます。

近隣宅土砂清掃状況
近隣宅土砂清掃状況

自治体・発注者目線となって社会的課題の啓蒙、地域のPRに寄与
【東京土木支店 与良川作業所】

  • 11 住み続けられるまちづくりを

本作業所は、栃木県南部の小山市郊外、渡良瀬遊水地にそそぐ与良川において国営農地改良事業の一環として排水機場の新設工事を行っています。長年水害が多発する地域であり、発注者である農林水産省も参画する流域治水プロジェクトにおいては、国、自治体等の行政機関だけでなく積極的な地域住民の参加も必要とされています。
そこで、竣工後の施設運用を担う地域住民の方々に、農地改良事業や流域治水の理解を深めてもらうため、若手土木・事務職員が主体的に現場独自の工事状況情報誌「与良川通信」を着工以来3年間(全39号)毎月発行し、近隣農家や小学校などに戸別訪問し配布しました。工事の現況報告の紹介にはじまり、派生して自治体や農水省の環境教育、農村振興に関する取り組みの紹介や、地域の方からの取材要請を受け地域の郷土文化を取り上げるなど、「持続可能な農村地域の発展」を柱とし、バラエティに富んだ紙面づくりに取り組みました。
当社が長年現場で大切にしてきた地元第一の精神を基にこれからも地域に根差した企業活動を続けてまいります。

水害対策を特集した「与良川通信特別号」 令和4年8月1日発行
水害対策を特集した「与良川通信特別号」 令和4年8月1日発行

園庭の開放感を保つ仮囲いの工夫、そして好評により本設として再設置
【東北支店 YB二本松作業所】

  • 11 住み続けられるまちづくりを

当作業所は保育園が隣接しており、園庭との境となる仮囲いに可愛らしいデザインシートと現場内が覗ける透明板を設置したところ、園児たちが重機やクレーン、高所で働く職人に興味を示し、現場内をよく見ていると好評になりました。

保育園側より工事完成後も残してほしいとの要望を受け、発注者とも協議の上、本設として利用できる仕様へ変更し、下段は園児が絵を書いて遊べるホワイトボード仕様として再設置しました。園庭のイメージが明るくなり、かつ遊び心があると大変喜んでいただくことができました。発注者からも近隣との関係性を良好に保つきっかけとなり高い評価をいただき、当社のみならず発注者と地元の方々の友好関係を深めることができました。これからも近隣の方々に寄り添った活動を模索し続けていきます。

仮囲いを本設化した様子
仮囲いを本設化した様子

ホテル業・ビル管理業を通じた社会貢献活動
【(株)ジェイシティー ホテルカデンツァ東京】

  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

当社では事業内容の強みを活かした社会貢献活動として、練馬区と協力した取り組みを行っています。東京オリンピックでは練馬区「ホストタウン交流事業」に協力をし、デンマーク・エクアドルの選手団が宿泊することになりました。宿泊期間中には、メダル獲得のお祝いなど選手と区民の交流の場を提供しました。

また練馬区主催の練馬こどもカフェ(月1回程度)の会場としてホテルのスイートルーム・宴会場の無償提供や、新型コロナウイルスの影響により学校・図書館等の公共施設が閉鎖される中で自習できる環境がない子どもたちへ自習室の無償提供を2年近く継続して開催しています。練馬こどもカフェはこれまで延べ150組(300人)以上、自習室提供では延べ1,000人以上の方にご利用いただきました。利用された方々から好評の声を数多く頂戴しています。

2022年3月には、当施設「光が丘ドーム」を3回目ワクチン接種会場として練馬区へ無償提供し、接種者には当社が運行しているシャトルバスも無償でご利用いただきました。

当社はこれからも強みを活かし、地域と密着した活動を積極的に展開していきます。

  • 在宅子育てで孤立しがちな親子を支援することを目的とした練馬区の子育て支援のひとつです。区の施設ではなく、民間のカフェなどを利用することで気軽に育児相談ができる場や、保護者同士の交流の場を提供しています。
デンマーク射撃選手団との記念写真
デンマーク射撃選手団との記念写真

作業所に備蓄している非常用用品リストを地域に公開し共有
【北海道支店 浜里WF作業所】

  • 11 住み続けられるまちづくりを

当現場の作業所は人口3,800人ほどの北海道天塩郡豊富町内に位置しています。地震や異常気象等による災害発生時に電気やガス・水道をはじめとしたライフラインが停止した場合に備えて、作業所内には日ごろから飲料水や非常食、毛布等の非常用用品を備蓄しています。

本作業所周辺の町内会には高齢の方が多く、散策途中に現場事務所掲示板の前で足を止め眺めてる方もいらっしゃいました。高齢者が多く過疎化が進んだ町に少しでも私たちが協力できることはないかとの考えから、作業所の非常用用品備蓄リストを作成し現場事務所仮囲いに連絡先を記して掲示しました。役に立つような事態にならないことが一番ではありますが、有事の際には声を掛けて頂ければ、微力でも助けになれたらと思います。

これからも地域住民の方とのコミュニケーションを大切にし、地域のために貢献できる活動を増やしていきます。

現場の仮囲いに備蓄用品リストを掲示
現場の仮囲いに備蓄用品リストを掲示

渡良瀬遊水地コウノトリ野生復帰への協力
【東京土木支店 与良川作業所】

  • 15 陸の豊かさを守ろう

本作業所は、栃木県南部の小山市郊外で、与良川や渡良瀬遊水地など水に囲まれた場所に位置しており、国営農地改良事業の一環として排水機場の新設工事を行っています。

小山市では渡良瀬遊水地が2012年7月にラムサール条約湿地に登録されたのを機に、「コウノトリの野生復帰事業」に取り組んでおり、人工巣塔の設置や減農薬・減化学肥料による農業を推進し、コウノトリが住みやすい環境を整えてきました。

これまでの活動の努力が実り、東日本初となった昨年に続き、今年も2羽のヒナが誕生しました。当作業所では今年も市からの要請を受け、「ヒナに観測用の足環取付け作業」のための作業車用走路の確保と、巣塔からヒナを一時保護するための高所作業車運転を行いました。専門家による足環付けが終わるとヒナは無事に巣に戻され作業は終了しました。当日の様子はニュースにも取り上げられ、地域の人をはじめ多くの方にご覧いただきました。今後も地域住民の方々とのコミュニケーションを大切にし、このような地域に密着した活動を継続していきます。

高所作業車によるヒナ一時確保の様子
高所作業車によるヒナ一時確保の様子

コロナ禍で影響を受けた飲食店に声をかけ、作業員へお弁当販売
【中部支店 アクアイグニス多気ホテル作業所】

  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

三重県に新しく誕生する日本最大級の商業リゾート施設『VISON』において、本作業所は宿泊施設『ホテルVISON』の建築工事を担当しました。

工事を進めるなかで、近隣の方からコロナ禍における営業時間短縮要請等により、近隣飲食店が苦しい現状であることを聞き、当社として何か貢献できることがないかを検討しました。近隣への協力と建設工事に従事いただいている作業員の労働環境が向上できる取り組みとして、厳しい状況と戦う飲食店に声をかけ、作業員へのお弁当販売を実施しました。

飲食店は2社ほどに賛同していただき、現場稼働日に販売しました。作業員は約200名/日のなか、販売数は75~100食程度を販売することができました。

敷地が東京ドーム24個分と非常に広く、また現場が市街地から遠かったことから、作業員のお昼休憩の時間確保が課題となっていたため、コロナ禍で苦しむ地域への貢献と作業員の労働環境向上という相乗効果が得られました。世界的にもまだ予断を許さない状況が続いていますが、今後も地域に根差し、社会課題に貢献できる私たちであり続けたいと思います。

現場でお弁当を販売する様子
現場でお弁当を販売する様子