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PROJECT04 世界初、民間国際ロボット救助隊を創ろう編 パート4:人と機械が手を結ぶということ
意外な共通点
今回は国際救助隊「主力メカ」の検討である。これまでの勉強で通常の建設機械も救助において十分有用なことは判っていたが、そこは世界初の民間救助隊である。やはり「世界初の何かを」と意気込むF営業部員たちであった。まずは本職の救助隊の方々が、どのような器具を使用するのか、レスキュー隊に関する本を読むことから、活動を始めた。
A部長 A部長: ・・・うむ。やはり、どの世界を覗いてみても、一流になると奥が深い・・・。
D職員 D職員: そうですね。これで一気にレスキュー隊ファンになりました。
A部長 A部長: しかしこのイカロス出版さんの本、「消防レスキュー隊」や「Jレスキュー」は取材が大変だろうな。細かいところまで写真入で、良くまとまってる。
イカロス出版 Jレスキュー イカロス出版 消防レスキュー隊
©イカロス出版
C主任 C主任: そうですね。資機材はもちろんのこと、ロープによる高所からの降下法や、交通事故の救助テクニックまで、細かく出てますからね。
B主任 B主任: ほんまや。写真が多くてわかりやすい・・・ちゅうことは関係者の方むけよりは、ファンの方むけやな。救助器具もぎょうさん載ってるで。
D職員 D職員: 案外、小さなものが多いのは、色々な救助場面に活用できるように、ですね。
C主任 C主任: ハンマードリル、油圧ジャッキなんてのは、形は違えど、現場でもよく見てるやつだね。
イカロス出版 ハンマードリル イカロス出版 油圧ジャッキ<
ハンマードリル
©イカロス出版
油圧ジャッキ
©イカロス出版
B主任 B主任: ま、一般の方でも、連想可能なものやな。
D職員 D職員: 救助現場と土木現場・・・・同じものが有効なんですね。
A部長 A部長: だから、災害救助・災害復旧であんなに我々建設会社が重宝がられるんだろうな。道具も使い慣れているから、即戦力としてお手伝いできるんだ。
D職員 D職員: ってことは、普段は建設現場の作業員で、災害などが発生した有事にはレスキュー隊員に変身ってこともアリですか?
A部長 A部長: 実際、災害時に地方自治体に協力することを約束する「防災協定」を結んでいる建設会社や建設会社の団体も多いんだよ。
B主任 B主任: せやったら、建設会社にいても、映画やドラマのレスキュー隊や消防士たちみたいに、危険と分かりつつも一か八か救助に向かうっていう場に出くわすかもなぁ。男のロマンやなぁ!
C主任 C主任: 前回の取材で聞いたのですが、救助隊は危険も顧みずに救助に向かうってことはできないそうです。2次災害の防止のために、救助者の安全第一も同様に重要であると。
B主任 B主任: ま、そやろうな。
D職員 D職員: 例えば、これってそうですよね。救助活動中の2次災害を防ぐため、建物倒壊・土砂崩壊等の現場で壊れそうな部位を固定し「安定化」するための資器材ですって。
救助用支柱器具
救助用支柱器具
©イカロス出版
B主任 B主任: けど、これって使える場面が限られとるわな。固定できる場所があればええけど。支える天井が高い場合もムリや。災害の現場って色々あるやろから、これは厳しい場面もあるやろな。
C主任 C主任: 要救助者がいる部分は比較的安全だが、その手前が炎に包まれている場合や、橋が壊れて、要救助者がいる対岸にいけない場合など、さまざまな場面何通りが想定できるから、幅広い対応できなくてはいけないんでしょうね。
A部長 A部長: ということは・・・無人化施工のようにラジコンによる重機操作ができるものなら、救助者たるレスキュー隊の2次災害も気にせず、どんな危険なところにも行って活躍できるな。確かコマツさんがこの分野には強かった気が・・・。
D職員 D職員: では、実際にコマツさんに行ってみませんか?
B主任 B主任: 確かに、実際に見にいかへんと分からんのとちゃう?
D職員 D職員: コマツさんは中伊豆に〝コマツ・テクノセンタ〟という「コマツ・テクノロジー」のプレゼンテーション施設があるみたいですよ。
C主任 C主任: それって、熱海の先だよね?入社してから、伊豆の方なんて行ってないから、久しぶりに行きたいなあ。
B主任 B主任: なんやお前。ほな入社前はよく伊豆に行ってたんか。あそこに行く男子大学生は、バイクでない限り、テニスと温泉の名を借りた、女子大生目当ての軟弱者と相場は決まっている。だいたい・・・(以下、話し続ける)
D職員 D職員: (小声で)なんか、昔いやな思い出でもあるんですかね?
C主任 C主任: (同じく小声で)いや、むしろ行けなかった恨み節だろう。今回はまず彼を入れておいたほうがよさそうだ。
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「鉄人」のノウハウ
部員達一行は、新幹線に乗り〝コマツ・テクノセンタ〟へ向かった。ついた所は見渡す限り伊豆の自然に囲まれた、白い近代的なビルディング。コマツさんの最先端テクノロジーに触れ、その確かな品質・信頼性を確認できるよう、観覧スタンドから機械を見られるデモンストレーションエリアや、リサイクルに特化した、リサイクルエリアがあります。デモエリアは東京ドームとほぼ同じ大きさ。試乗体験も可能です。この豊かな自然と力強い大きな建機が共存する不思議な空間に、お話をしてくださる「ラジコン建機の鉄人」お二人がいらした。
ANA 成田空港支店 副支店長・機長 中村 柳太郎 氏
大変お忙しい中をご協力いただきました
コマツ
営業本部 市場開発部 油圧ショベル・ワーキングギアグループ
ラジコンチーム長 荒川 輝昭 氏(左)
営業本部 市場開発部 油圧ショベル・ワーキングギアグループ
ラジコンチーム 石橋 昌樹 氏(右)
©コマツ
B主任 B主任: コマツさんはラジコンによる重機操作の分野がお強いちゅうことですが、いつごろから実用化されて、今のようなすばらしいものになりましたんでしょうか?
荒川氏 荒川氏: 1993年の雲仙普賢岳の噴火後の復旧活動において、ラジコン制御の無人化施工機械(重機)を実際の作業で使用したのが最初です。当時は、いつまた火砕流が発生するかわからない危険な状態での復旧作業でしたので、どうしても離れた場所からの重機操作が必要でした。
C主任 C主任: 災害現場では、瓦礫を撤去し救助活動がスムーズに行えるような状況をつくりだす。なおかつ、救助者がすぐそばにいるってことですよね。
荒川氏 荒川氏: そうですね。なので「精度」が要求されます。相手が人となるとやはり重機に乗っての操作は慎重さ・正確さに欠けますね。なので、ラジコンを持って救助場所の「そばで見ながら」慎重に作業を行うしかないですよね。なのでラジコン仕様車が災害復旧・救助活動に有効ですよ。
C主任 C主任: そうなんですか。現場の実際に使っていたオペレータさんの評価はどうでしたか?
石橋氏 石橋氏: まず、災害・復旧活動は長期・長時間かかるものですから、ラジコンを使うことで疲れてしまっては困ります。
D職員 D職員: そうですよね。じゃあ軽くて小さいゲーム機のコントローラーが理想ですね。最近の男の子は、小さいときからゲームを指でピコピコやりますしね。すぐに重機を動かすにも慣れるでしょう!
A部長 A部長: (私の知ってる鉄人28号では大きめのリモコンだったが、時代ということか・・・)
荒川氏 荒川氏: 実はですね・・・ラジコンが小さすぎても疲れる、という現場からの声がありました。作業は1日8時間くらいになりますし、阪神大震災の時のように昼夜を分かたず行われることもあります。
B主任 B主任: けど、ゲーマー呼ばれる、あの人ら1日8時間くらい楽勝やない?
D職員 D職員: でもですね、確かにポリフォニー・デジタルさんのグランツーリスモでも、手のひらサイズのコントローラより、本物のハンドルやペダルに近いGT FORCE Proを利用したほうが、何かとよかったなぁ。
石橋氏 石橋氏: 長時間の作業を考えると、ある程度の大きさ・重さ・ちゃんとした姿勢がとれることが作業には1番いい環境なんです。
B主任 B主任: なるほど。そうかもしれん。
荒川氏 荒川氏: 我々も一度は小さくて軽いラジコン装置を開発していたのですが、現場からの声を聞き、今ではあえて大きさを大きくし、その分壊れにくいヘビーデューティ型にしています。
送信機(持っている時)
送信機(持っている時)
©コマツ
C主任 C主任: 逆リュックサックみたく、前側に肩紐をかけるんですね。これなら長時間でも肩こらなそうですね。危険な災害現場では、いざという時には両手も使えることも重要でしょうし。
B主任 B主任: ランドセルを前にかけて「ロボコン」言いながら遊んでた、小学生時分を思い出すわ。
石橋氏 石橋氏: 送信機の胸版はコマツオリジナルです。これがあることによって送信機が体に固定され微操作性がよくなり、より安全に重機を動かすこともできます。
D職員 D職員: 確かに紐を肩から下げているだけだと左右に操作の部分が揺れて安定しませんね。精度を出すためのノウハウが詰まった胸板ですね!
A部長 A部長: (やはり大きくてよかったのか。この胸板もあれば正太郎君ももっと操作しやすかっただろうな。しかし、偶然とはいえ、漫画と似るもんだ。)
ラジコン(詳細部)
ラジコン(詳細部)
©コマツ
荒川氏 荒川氏: 操作がしやすいようにも工夫されています。最近はタッチパネルのように、On-Offをランプで示すものもありますが、それではいちいちラジコン装置を見て確認しなくてはいけません。当社のものは、まず、指で押すようなボタンは緊急停止用のボタンしかありません。理由は単純で、操作に慣れたオペレータさんにとっては、スイッチに触れただけでどちらにスイッチが入っているかがわかるのです。複雑な操作が要求される現場では、指で押すスイッチばかりだとラジコンを送信機見ながら操作をしなくてはいけませんよね。
石橋氏 石橋氏: この操作レバーの長さにもこだわっています。大人が握りやすいように80mmの長さにしています。これも開発当初から苦慮したところです。
B主任 B主任: いや、気づかんかったなぁ。確かに短すぎても細かい作業のときに操作しにくいな。で、周りについている銀色の鉄の棒、飾りでっか?
荒川氏 荒川氏: 違いますよ。これは、操作中にラジコン送信機にぶつかって重機が誤動作しないように、ガードするためのものです。
D職員 D職員: なるほど。人ってリュックとか、カバンとか、体にプラスされた大きさをうまく把握できずに、ぶつけちゃったりしますもんね。
荒川氏 荒川氏: それだけではないんですよ。操作をする際に手を安定させるためでもあるんですよ。送信機を持っている方の手元を見ていただけたら分かりますが、ガードに小指を引っ掛けていますよね。このように指を引っ掛けたり、手を乗せたりして安定させています。これによって、細かい操作が可能になるのです。この形状に決めるのに現場でオペレータさんの声を聞いて改良しました。
C主任 C主任: この銀の棒が1番単純な作りなのに、1番重要かもしれない。1つで2役ですね。
B主任 B主任: 操作には免許は必要なんですか?
石橋氏 石橋氏: 車両系建設機械の免許が必要です。操作してみます?
B主任 B主任: いや免許もっててよかったわ。是非お願いします。
ラジコン仕様車
ラジコン仕様車
©コマツ
B主任 B主任: こんなに大きな重機を、大食いの人のお弁当箱くらいのラジコンで動かせるなんて機械の革命や。それに手元と重機の動きに操作の遅れが全然感じられないやないですか。
C主任 C主任: 体験させていただくと、さらに素晴らしい技術であることが実感できますね。
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