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PROJECT04 世界初、民間国際ロボット救助隊を創ろう編 パート5:ある日の救助隊基地
平常時の姿
各社の熱心なご活動のおかげで国際民間ロボット救助隊の姿もずいぶんと具体的になってきた。数多くのロボット、それを迅速に運ぶ複数の専用機、空港から現場に急ぐ健脚な救助機械・・・。しかし、それらをオペレートする肝心の隊員達についての議論が足りないことにF営業部員たちは気づいていた。例えば彼ら自身は参加するのか、その他の会社の皆さんはどうなるのか。日頃の救助隊基地の風景はどのようなものになるのだろう。今回は、その辺の議論および各社さん取組中の様子をレポートする。
B主任 B主任: 世の中、暇になったほうがいい職業は、警察と消防やな。
D職員 D職員: なんですか急に。熱かな?このところ急に寒くなりましたから。
C主任 C主任: 「消防の皆さんは暇そうにしてても、怒られんからエエなぁ」とか?ボーっとしてるわけないでしょう。訓練、訓練。
D職員 D職員: そういえば訓練を兼ねて、日頃はロボットを空港で仕事させようというアイデアが出てましたね。
B主任 B主任: この救助隊の隊員になるべきか、また、なったとしたらどのような毎日になるのか、考えとったんや。例えばIRSの皆さんや大学の研究員の皆さんは、基地に施設ごと移られても業務には差し支えん。
D職員 D職員: 基地は関空ですから、ANAさんもまあ、問題ないですねぇ。
B主任 B主任: そやろ。問題はうちや。我々4人は飯田橋。隊員になったはよいが、関空行きの国内線の時間が合わな、隊の皆さんにご迷惑や。
C主任 C主任: ANAさんに出向させてもらえば良いのではないですか。
B主任 B主任: お手伝いできること、あるかのぉ。
C主任 C主任: 基地そのものやコマツさんの機械などのメンテナンスがあるだろう。
D職員 D職員: 何ならロボットのオペレーターに立候補したら?僕は志願してもいいですよ。
C主任 C主任: そういえばANAさんには「隊員候補になりそうな方が集まっている」ところがあると、仰っていたなあ。
ANAさんには、以前ご紹介した「ANAバーチャルハリウッド」という活動があるが、その中から発案・実現された活動のひとつに「すずらんクラブ」という、社会貢献ボランティア活動組織がある。この活動を推進している客室本部 品質サポート推進室 品質企画部の鈴木克洋氏にお話を伺ってみよう。
ANA 客室本部 品質サポート推進室 品質企画部 鈴木克洋氏
「笑顔であいさつ」とあるポスターにはANA社員さん笑顔があふれています
©ANA
鈴木氏 鈴木氏: 「すずらんクラブ」は2006年の4月に立ち上がった、現在300人くらいのメンバー登録数をもつ、社会貢献ボランティア活動をするための社内の受け皿です。「仲間と楽しみながら、でもまじめに!」をキャッチフレーズとして、休暇や勤務外の時間を使って活動するものです。
B主任 B主任: 休暇や勤務時間外の活動・・・このホームページを立ち上げた人間が聞いたら、強い共感を覚えるフレーズやね。
鈴木氏 鈴木氏: 現在までのところ、全国各地での植林活動をはじめ、沖縄ではサンゴの植え付け、そのほかには学生さんや子供たちへ、現実社会のひとつとしての弊社をテーマとした勉強会やインターンシップの実施なども実行、計画しています。先日も表参道ヒルズで、ANAグループで協力している赤い羽根の募金活動を行いました。制服を着た客室乗務員や整備士、飛行機を誘導するマーシャラーなどグループを挙げて参加してきました。通行人からはかなり珍しく思われました。
ANAグループ 赤い羽根の募金活動01
©ANA
ANAグループ 赤い羽根の募金活動02
手に持たれている飛行機のぬいぐるみが何だったのか、
気になるところであります。
©ANA
鈴木氏 鈴木氏: また、闘病されているお子様への訪問や盲学校への点字版「翼の王国」の寄付などの活動も行っています。
C主任 C主任: そういう方々なら、いい救助隊員になってくれそうですね。御社は、グループ会社を含めて、運航部門、空港部門、客室部門、整備部門、営業部門などなど多くの部署の方がいて初めて飛行機を飛ばせるわけですが、300人もいたらその点は問題ないでしょうか。
鈴木氏 鈴木氏: グループも含めて多種多用な職種の社員が揃っているので、恐らく大丈夫だと思います。
D職員 D職員: でも、今のままだと、救助隊の発進は休暇が勤務時間外に限られちゃいますね。
B主任 B主任: そこは我々の謎のスポンサーがモノを言うわけや。チャーター便やで。
C主任 C主任: 実際のところ、こういう救助隊の話を聞いてどう思われましたか?
鈴木氏 鈴木氏: スマトラ沖の地震と津波で被災された地域で実際にあった話ですが、世界各地から集まる救援物資の航空機からの搭降載作業を航空会社の社員のボランティアで行うなどの活動があったようです。
被災された方々への支援のみならず、ロジスティックの分野でのボランティア分野などもありますので、今後環境が整えば可能ではないかと思っています。
B主任 B主任: ありがたいこっちゃ、こりゃほんまに優秀な隊員さんが揃った上で実現できるで。隊員は基地のすぐ横で働いたり、研究したりするのやから、万一の事態にも、すぐ発進できるちゅうわけやしな。
C主任 C主任: そして僕らは基地のメンテ係と・・・。
D職員 D職員: IRSさんの神戸ラボはこちらに移っていただくことになるんですかね。
B主任 B主任: (全く聞いておらず)あ、大事なCA隊員さん達、忘れてたわ。彼女ら、ちゃんと発進までに来れるやろか。
しかし、この基地についても、以前お話を伺ったオペレーション統括本部の梶木氏、白澤氏、ANA総研の堀口氏の御三方とF営業部員で話をしているうちに、ある構想が芽生えてきた。基地自体も、日頃は近未来のあるべき旅客ターミナルとして機能し、万一の際は基地として機能するというアイデアである。
キーワードは「大屋根」。落雷警報(TS1〜3に分かれ、TS3では屋外業務が全面停止になり、飛行機の運航ができなくなる。TS=Thunder Storm)に影響されず、また降雪駐機時の翼に対する着氷、着雪を防止できるメリットがある。
「大きな屋根の下にいる旅客機」という風景だけでも、新鮮な空の旅を演出するのではという想いもあって、議論が続いたが、その一部を再現してみよう。
D職員 D職員: 確かに冬の北の空港というと、一生懸命、機体に付いた雪、落としてますよね、それこそ例の航空機防除雪氷作業車、エレファントミューで。
堀口氏 堀口氏: 翼の断面形状、変わっちゃいますからね。
B主任 B主任: でも、滑走路の脇で「さあ、飛びまっせ」言うまでに、また積もりますやろ。
堀口氏 堀口氏: なもので防氷剤を塗布するんです。プロピレングリコールに添加剤を加えた特殊な液体で、ある程度流れ落ちないけど、滑走を始めると途端に流れるという。
C主任 C主任: なるほど。機体洗浄、防除雪氷と簡略化できれば環境にもやさしいと、こういうわけですね。
梶木氏 梶木氏: せめて翼の部分だけでも、屋根があると違うんですけどね。
白澤氏 白澤氏: 国際救助隊ですからC.I.Q設備もお忘れなく。
D職員 D職員: CIQ?
白澤氏 白澤氏: Customs、Immigration、Quarantineの略ですね。税関、出入国審査、検疫のことです。
堀口氏 堀口氏: 圧倒的にお客様に便利なターミナルが良いなあ。飛行機の真横にリムジンバスが着くとか。お預かりした荷物もお待たせせずにお渡しできるとか。
B主任 B主任: そ、それは厳しそうでんなぁ。
白澤氏 白澤氏: 機内での急病人に対する配慮も、お願いしたいですね。
C主任 C主任: うちの建築チームがどんな答えを出すか、楽しみだな。
D職員 D職員: ところで、我々の飛行機なんですが、結局何に決まりましたか?
堀口氏 堀口氏: 前回コマツさんご提案の救助車両、あの大きさを搬送できるのは747だけですね。従ってまずB747のフレイターが1機。それだけだと隊員を運べないので、同じ747Fのコンビ仕様機が1機、計2機を考えています。
C主任 C主任: 同じ747にしたのは、運用面での効率を考えて、ですね。
堀口氏 堀口氏: そうです。
B主任 B主任: 747なら、中村機長に操縦桿、握ってもらえるしのぉ。
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救助隊のコンセプト、テーマとは?
一方で救助隊の制服に関する作業も始まっている。今回はオンワード商事さんにご尽力をいただけることになりF営業部員はじめ、皆、大変に喜んでいるところである。ご担当者はこちらのお二方。
株式会社オンワード商事 商事事業本部 商品一部 草薙 正基 部長(左) 商品一部 企画二課 増田 晴彦 デザイナー(右)
大変お忙しい中をご協力いただきました
株式会社オンワード商事
商事事業本部 商品一部 草薙 正基 部長(左)
同 商品一部 企画二課 増田 晴彦 デザイナー(右)
©オンワード商事
ファンタジー営業部の第4弾「世界初、民間国際ロボット救助隊を創ろう」編で大変お世話になった、株式会社オンワード樫山さんは、今年07年9月1日より純粋持株会社体制へ移行されました。
これに伴い本文中でご協力いただいた商事事業本部さんは同日より「オンワード商事株式会社」 の商事事業本部さんへと変更になっております。第4弾本文ほかの変更につきましては、この注意書きをもちまして当面ご容赦いただきたく、よろしくお願いいたします。
我々は現場でのレスキュー服や、基地における制服に関し、意匠や機能を、お二人にストレートにお伝えすればよいものと考えていた。しかし、数多くのご経験を持つ彼らから出てきた言葉は異なっていた。
草薙氏 草薙氏: まずデザインするにあたって、この活動全体のコンセプトや救助隊のテーマというものをいただきたいのですが。
B主任 B主任: テーマって、そりゃ人助けをすることですがな。
C主任 C主任: わかってないなぁ。「何でも良いですから、お願いします」って、デザインするほうから言えば難しいことなんだよ。
草薙氏 草薙氏: やはり我々、通常の制服業務でも、まずお客様の仕事に対する想いであるとか、大事にしていることなどをお話させていただくんですね。直接的なニーズや機能の前にお聞きするんです。
C主任 C主任: そういったところから、意匠の幹とかテーマカラーが決まり、その後、広がっていくんですよね。
増田氏 増田氏: まあ、そうですね。
B主任 B主任: なあ、それって、つまりどういうふうなん?「強くて頼りになるマッチョな男とロボット達」とか、そういう文章でええわけ?
C主任 C主任: ま、君には無いセンスや
コンセプトやテーマについての議論の後、IRS-Uの真壁リーダーから現場の意見としてレスキュー服について様々な意見が出された。
意見交換を行う真壁リーダーと、草薙部長・増田デザイナー
意見交換を行う真壁リーダーと、草薙部長・増田デザイナー
©前田建設
真壁氏 真壁氏: 防刃ベスト、これをつけてほしんですよね。暴動、略奪行為というものが無いとも限りませんし。
草薙氏 草薙氏: 我々としてはむしろ難燃性が重要かと思い、アラミド繊維などのサンプルを用意してきたのですが。
C主任 C主任: 例えば先ほど真壁リーダーのおっしゃられた「無線機の使いやすさ」という要望、これはむしろ、ヘルメットに内蔵する方向でよろしいのではないでしょうか。
真壁氏 真壁氏: それはいいですね。かっこいいヘルメット、この救助隊であれば予算に制約がありませんから、実現できそうですね。
その他、様々な要望が皆様から出され、時間は瞬く間に過ぎていったのである。この詳細についてもまた来月以降、詳細にご報告させていただく予定である。

以上、国際民間ロボット救助隊は、基地やレスキュー服の検討など、いよいよその姿を公開すべく、各社さんが作業に入られている。来月はいよいよ、完結編その1としてその中のいくつかの全容を明らかにしていく。次回ファンタジー営業部 国際民間ロボット救助隊編「Part06 これがロボット救助隊の姿だ(前編)」11月30日(木)公開予定。どうぞお楽しみに。
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