2022年05月25日人工知能(AI)による交通危険事象検知システムを開発(特許出願中)

<概 要>
 前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:前田操治、以下「前田建設工業」)は、株式会社Create-C(本社:東京都千代田区、社長:仲条仁、以下「Create-C」)と共同で、車両前方画像を活用したAIによる交通危険事象検知システム「AI SAVE™(エーアイセーブ)」を開発・実用化しました。

<詳 細>
 土砂や資材をダンプトラックで大量に輸送する建設工事では、交通事故の抑止及び安全対策が求められています。そのため、ドライバー個人の曖昧な記憶に頼らず、ドライブレコーダー等の記録を利用し、工事車両の運転行動を管理する必要があります。
 また、ドライバーに対する安全教育も重要です。しかし、従来の車載加速度センサー機器やドライブレコーダーのみでは危険事象の判定基準が曖昧であり、アラート発生時の状況が不明確であることから、運転手への具体的な注意喚起には至りませんでした。さらに、管理者側も詳細な運転状況を把握するためには、膨大な時間をかけて運転動画を確認する必要がありました。

 そこで、前田建設工業は、AI・ビッグデータ解析技術を強みとするCreate-Cと交通危険事象検知システム「AI SAVE™(エーアイセーブ)」を共同開発・実用化しました。本システムは、輸送車に設置したスマートフォンで車両の前方画像を1枚/秒、フルハイビジョン画質で撮影します。実際の輸送車両からクラウド上に集めた撮影画像、約72万枚をAIに学習させて教師データとすることで、危険な運転挙動や注意すべき道路環境を検知しドライバーへ警告します。

 本システムで自動検知する危険事象は、ドライバーが実際の現場で注視している危険事象に、事故統計情報から得られる知見を加味した8項目(図-1)となります。

 危険事象を自動検知する仕組みとしては、深層学習と画像解析を統合する技術を使い、車両前方画像から車線逸脱や車・人の検出、前方車両との距離等の算定を実現しています。また、設置したスマートフォンによって得られるセンサー情報と外部データを組み合わせることで、スピードオーバーや一時不停止等を検知します。
 また、検知された危険事象はドライバーだけでなく、管理者も確認することが可能です。運行管理用WEBサイト(図-2)では、作業現場別、運転手別、日付別などで検索・集計ができ、危険事象発生箇所を地図上にプロットしたハザードマップが自動生成されます。

 自動生成されたハザードマップや安全運転ランキングリスト等は、全ドライバーへの安全運転教育に活用できます。さらに、本システムで検知された危険事象は、検知前後の車両前方の様子を動画で確認できるため、危険事象の状況や原因などを詳細に把握、共有することが可能になります。そのため、ドライバーにも注意喚起しやすく、より実効的な安全性向上につながります。

 前田建設工業は、労働災害防止に寄与するICT技術の導入を促進し、事故のない安全な現場を目指しています。引き続き本システムの検知精度の向上等、システムの改良を進めるとともに、安全な輸送工事のためにさらなる活用を進めてまいります。

 


図-1 自動検出する危険事象

 


図-2 「危険箇所ハザードマップ」の一例

<問い合わせ先>
前田建設工業株式会社
経営革新本部 広報部
E-Mail:maeda-release@jcity.maeda.co.jp
 

人工知能(AI)による交通危険事象検知システムを開発(特許出願中)

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