2023年10月25日ZEB設計支援システム「ZEB-Scope」を開発
~データベースと各種ツールの自動連携により 多様なZEB仕様を迅速かつ高精度に評価~

 前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:前田操治、以下「前田建設」)は、短時間に高精度でZEBの評価ができるZEB設計支援システム「ZEB-Scope」を開発しました。
 2050年カーボンニュートラルの実現と2030年度温室効果ガス46%削減(2013年度比)に向け、建築分野では2050年ストック平均ZEB化と2030年度に新築ZEB化が目標とされ、建築物省エネ法の改正・強化によって、2030年度以降に新築される建築物についてはZEB基準の水準の省エネルギー性能確保を目指すことが掲げられています。また、カーボンニュートラルに関わる様々な国際的枠組み(TCFD、SBTなど)に参画した企業の多くは、削減目標達成のための主要な取組みの一つとしてZEBを位置付けており、ESG投資の観点からの評価も高く、快適性や知的生産性の向上にもつながるZEBの需要は、今後ますます高まっていくものと考えられます。
 ZEBの評価には、建築物省エネルギー法で規定された基準への適合性を判定する「建築物のエネルギー消費性能計算プログラム」(通称:WEBPRO[ウェブプロ]、以下「WEBPRO」)が用いられますが、外皮や設備など建築物に関する様々な情報を入力に対し、多くの時間や労力を費やしていました。
 前田建設では仕様・条件のデータベースとプログラム間の連携をRPAなどにより自動化し、短期間に高精度で様々な条件下におけるZEBの評価ができる設計支援システム「ZEB-Scope」を開発しました。

 

【システムの特徴】
● 建築・設備仕様や条件を変更した様々なパターンのZEB判定計算を自動で連続実行できます。
● 自動選定可能なデータベースとして建築・設備仕様や条件が登録されています。
● WEBPROや空調負荷計算ソフトと自動連携します。
● BIMと上記データベースの相互連携ができます。

 

【効果】
従来、1か月程度(建物規模による)の時間を要していたZEB化検討が、1週間程度に大幅に短縮され、生産性の向上とともに設計品質向上にも貢献します。

【まとめ】
前田建設は、本「ZEB-Scope」を活用しZEBの普及に努めながら、ZEB評価に留まらず、建築物のLCAも考慮した最適設計を実現するシステムの実現を目指し、取り組みを進めてまいります。


システム概要

 


入力画面イメージ

 

  
出力結果イメージ(K事務所物件)

 

 

〈参考〉
TCFD
TCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)はG20の金融部門によって設立され、気候変動がもたらす財務的影響の情報開示を促す提言をしており、多くの企業が賛同を表明している。
※関連リリース:2022年6月30日インフロニアホールディングス株式会社「TCFD提言への賛同とTCFD提言に沿った情報開示を開始」https://www.maeda.co.jp/news/2022/06/30/5316.html

SBT
SBT(Science Based Targets)は、パリ協定が求める⽔準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減⽬標。

 

<問い合わせ先>
前田建設工業株式会社
経営革新本部 広報部
E-Mail:maeda-release@jcity.maeda.co.jp
 

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