技術の概要
山岳トンネルの切羽における代表的な補助工法として、注入式長尺先受け工法(AGF工法)や長尺鏡ボルトがあります。これらの補助工法に通常の長尺鋼管を用いた場合、AGF工法では掘削断面の拡幅が必要となり、鏡ボルトでは掘削に伴う鋼管の切断が問題になります。
AGF-S工法およびF-Sボルトでは、一定の間隔で鋼管にスリットを入れたフレキシブルパイプを用いることにより、従来工法の欠点を克服しコストダウンを可能としました。
技術の特徴
共通
- 鋼管に溝(スリット)を入れたフレキシブルパイプを使用するので、容易に折断できます。
- 施工に使用する重機や施工手順は従来工法と同様であり、特別な施工機械等は必要としません。
AGF-S工法
- 鋼管に入れるスリットは折断の必要な端末部分だけであり、通常はラップして施工される範囲なので、先受け工としての効果を損なうことはありません。
F-Sボルト
- ウレタン系、セメント系他の注入が可能で、地山に適した注入材の選択ができます。

メリット
AGF-S工法
- 無拡幅で施工することも可能ですが、従来型のAGF工法と同等の打設角度(5 ゚)で施工する場合でも、拡幅断面は1/6に縮小可能です。
- 事前拡幅も不要となるので、地山状況に応じていつでも先受け工が施工できます。

F-Sボルト
- グラスファイバーボルトを用いた長尺鏡ボルトに比べて鋼管を用いるため15%のコストダウンが可能です。

- 実績
-
〈AGF-S工法〉
戸吹トンネル(仮称)整備工事(その1)(H14〜15) 東京都
他多数
〈F-Sボルト〉
福岡市高速鉄道3号線梅林工区建設工事(H14) 福岡市
他多数
- NETIS登録No.
- KK-050087-A
- 適用工種
- 山岳トンネル