「バットレス制振フレーム」
耐震補強

技術の概要

既存の建物の両側面に「バットレス制振フレーム」を設ける耐震補強工法です。本構法の特徴は、補強後も居室窓面からの採光を全く妨げないこと、工事中は工事範囲を集約し、騒音・振動作業が限定され、建物を使用しながら工事が進められることにあります。

技術の特徴

  1. 1.バットレス制振フレームは、建物の揺れのエネルギーを吸収するオイルダンパー注1)を組みこんだ補強フレームを建物の両側面のみに設置する注2)従来にない新しい構法です。
  2. 2.補強フレームを既存建物と一体化し、補強フレームの各層間に設置したオイルダンパーが既存建物の揺れを低減する制震効果を発揮することによって、新耐震設計法以前に設計された既存建物が、震度6強から7の地震に対して倒壊または崩壊することを防ぐことが可能です。
  1. 注1)エネルギー吸収のためには「オイルダンパー」以外の装置を採用する場合があります。また、ダンパーを必要としない場合もあります。
  2. 注2)建物によっては、建物内部の補強を必要とする場合があります。
バットレス制振フレーム配置計画の例

メリット

  1. 1.建物をバットレス制振フレームで補強することにより、地震リスクが著しく低下することを確認しました。
  2. 2.完成後、各住戸の採光を全く妨げません。現状の住環境と全く同一です。
  3. 3.工事騒音、振動の発生源を集約でき、短期集中工事により影響を最小化できます。
  4. 4.工事中に居室内やバルコニーなどの専用部分へ立ち入る必要がありません。

特記事項

  1. 1.「バットレス制振フレーム」は集合住宅のほか学校や病院施設など、平面形状が細長く、居室間の間仕切り壁が多い建物への採用に適しています。
  2. 2.低・中層建物では、オイルダンパーを省略したバットレスフレームを提案可能です。
実績
群馬県高層県営住宅(5棟) 耐震補強(H17)
適用工種
集合住宅、学校、医療福祉施設などの耐震改修