技術の概要
生産施設における防虫の目的は、原料や製品、検体等の昆虫類による汚染(異物混入、微生物汚染等)を防止するためです。
原料や製品が汚染されると、クレームや製品回収につながり、お客様は社会的な信用を失墜する可能性があります。また検体などに混入すると試験結果や研究開発にも影響を及ぼし顧客の信用を失うリスクがあります。
技術の特徴
施設には次のような4つの基本的な防虫性能が求められます。計画時にお客様の生産方法を理解して運用までしっかり考慮した防虫対策を織り込むことで虫の汚染リスクを極力低減することができ管理しやすい施設になります。
- A寄せ付けない(誘引防止)
- 建物周辺から虫を引き寄せないような光や気流、空間になっていること
- B侵入させない(侵入防止)
- 建物の周辺から虫が侵入しない、又は侵入してもその先に行かないような区画や部位、空間になっていること
- C生息させない(拡散防止)
- 侵入した虫がそれ以上繁殖するとさらに拡散するため、建物の内部に生息しないような部位や構造、環境になっていること
- D持ち込まない(持込防止)
- 物の運搬中、人の移動中に付着した虫を、建物の内部に持ち込まないような設備になっていること

具体的な虫の防除対策の例を発生経路ごとに示します。発生する虫は地域や環境条件により異なり施設の生産品目や運用方法によっても状況が違うため対策は変わります。
- 1内部生息性の虫の防除
- 発生源の除去、清掃、殺虫処理
- 2歩行侵入する虫の防除
- ドア周りの侵入防止、虫がえし、外構舗装、植栽管理
- 3排水溝から発生する虫の防除
- 排水溝や側溝の清掃、汚泥除去、トラップ管理、殺虫処理
- 4工場外から持ち込まれる虫の防除
- パレットの使い分け、エアシャワー、粘着ローラーの使用
- 5飛来侵入する虫の防除
- 低誘虫灯、防虫フィルム、前室設置、陽圧化、臭気管理、エアカーテン、シートシャッター、ライトトラップ設置
メリット
運用方法まで考慮した防虫対策とすることで、無理なくコストパフォーマンスよく管理しやすい施設になります。
- 実績
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食品工場、食肉施設、医薬品工場、医療機器工場、化粧品工場、動物実験施設
その他多数
- 適用工種
- 生産施設全般、倉庫