技術の概要
設計基準強度150N/mm2クラスのコンクリートを得るためには、実強度で170N/mm2程度の非常に高いコンクリート強度が要求されます。そのため、コンクリートの使用材料を厳選する必要があり、調合は極めて低い水結合材比としなければなりません。また、従来の高強度コンクリートに比べて単位水量のわずかな変動により圧縮強度が大きく変化するため、これまで以上の厳しい品質管理が要求され、それを安定して確実に実施できる良質な生コン工場が求められます。さらに、耐火性に関して、火災による爆裂現象を抑制するための対策を施す必要があります。
本技術は、Fc=150N/mm2クラスの超高強度コンクリートの製造・施工を可能とする技術です。
技術の特徴
以下の規準類に基づき製造・施工します。
- 1.材料選定マニュアル
- 超高強度コンクリートに適する使用材料を比較的容易に選定することができます。
- 2.調合設計指針
- 試験練りの手順、スランプフロー、空気量、調合強度の設定方法、等が示されており、実強度170N/mm2程度のコンクリートの調合を設計することができます。
- 3.品質管理規準
- 生コン工場の選定、品質管理体制、フレッシュコンクリートの管理、管理用供試体の採取方法、コンクリート強度の管理等が規定されており、安定した品質のコンクリートを製造することができます。特に、単位水量に関しては、比較的簡易でかつ迅速に測定できる推定方法により水量の変動を把握し、その結果を生コン工場へフィードバックすることによって、強度のばらつきを抑えます。
- 4.施工管理規準
- コンクリートの運搬・打設から締固め、養生方法までが規定されており、施工欠陥のない密実なコンクリートを施工することができます。
- 5.耐火設計指針
- コンクリートの強度及び、目標とする耐火性能・爆裂の程度に応じて、合成繊維混入(繊維の仕様・混入量)、鋼板巻き、耐火被覆工法(FIRECC工法)の対策を選定することにより、目的の耐火性を有する部材を設計できます。

メリット
- 1.柱の断面をスリム化することができます。
- 2.高耐久性が得られるため建物の供用期間を長くできます。
特記事項
37条大臣認定を生コン工場と共同取得する必要があります。
- 適用工種
- 超高層RC建物
- 関連資料
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「エアメータによる単位水量推定法の超高強度コンクリートへの適用」
日本建築学会大会学術講演梗概集 pp.597-598 2004.8 他