シート遮水型最終処分場の
漏水検知システム
「ELL(エル)システム」
・「HAMSTER(ハムスター)」

技術の概要

ELLシステムは、管理型最終処分場などに敷設された遮水シートの健全性を診断し、万が一漏水があった場合には電気的な原理に基づいて高精度にシートの漏水位置を特定するシステムです。

HAMSTERは、ELLシステムの簡易版で、竣工検査時及び埋立初期の段階において、コンパクトな機器と移動電極を用いて漏水箇所を特定するシステムです。

技術の特徴

本システムは、遮水シートの高い絶縁性を利用して、漏水箇所を通って流れる電流を測定することで、正確に漏水位置を検知します。

◆ELLシステムの特徴

  • 1.線状電極(シートの上下に2~10m間隔に等間隔で設置)の使用により、少ない電極数で広い面積の測定が可能です。
  • 2.線状電極を4m間隔で設置した場合、位置特定プログラムによる解析で、1m×1mの範囲内に漏水位置を特定することが可能です。
  • 3.1cm2の大きさのシート損傷からの漏水を検知することができます。
  • 4.計測は全自動で容易かつ短時間で行うことができ、画面上で結果を確認できます。
  • 5.設定した定時の測定で、長期にわたり継続的に監視を行うシステムです。
ELLシステムの概略図

◆HAMSTERの特徴

  • 1.遮水シート上面には移動式の点電極を使用し、自由度の高い測定が可能です。
  • 2.点電極の間隔で狭い範囲に漏水位置をしぼり込むことができます。
  • 3.測定機器はコンパクト、かつ運搬移動が可能な構造で、測定時にのみ設置します。
  • 4.初期の必要な期間だけ、経済的に検査を行うシステムです。
  • 5.広い面積でも効率的に測定できるシステムが構築されています。
HAMSTER概略

メリット

  • 1.測定する面積が大きいほど、コストメリットが高いシステムです。
  • 2.測定電極への印加電圧は5V程度で感電の危険がなく、安全性が高いシステムです。

特記事項

  • 1.絶縁性の低い遮水シートを敷設した処分場には適用できない場合があります。
  • 2.処分場の構造により、部分的に電気的絶縁処理が必要となります。
実績
  1. 1)鹿沼フェニックス(H3~H7) 栃木県鹿沼市(当社施工) 6,450m2
  2. 2)壬生町環境センター(H6~H8) 栃木県壬生町(他社施工) 15,000m2
  3. 3)仙南最終処分場(H8~H10) 宮城県白石市(当社施工) 34,000m2
  4. 4)神明台最終処分場(H14~H15) 神奈川県横浜市(他社施工) 14,400m2

他44件

外部評価
’98発明協会会長奨励賞受賞(ELLシステム)
適用工種
管理型最終処分場、シート遮水した溜池・ダム
備考
ELLシステム研究会設立(H15)