技術の概要
「ESCON TPジョイント」は、機械式定着鉄筋(TPナット)と高強度繊維補強モルタル(ESCON)、橋軸直角方向鉄筋を組み合わせた新たな床版継手工法です。本技術は、前田建設工業株式会社、飛島建設株式会社、佐藤工業株式会社、株式会社エスイーの4社が共同で開発したものであり、老朽化が進んだ橋梁のコンクリート床版取替工事において、効率的な施工を可能とします。

技術の特徴
- 1.継手作業の省力化と工期短縮
間詰幅を1/2以下に縮小し、継手構造を簡素化することで、従来技術(ループ継手)と比較して作業の手間を減らし、床版取替工事にかかる工期を短縮することができます。 - 2.現場施工が簡便
PCa床版の形状を改善することにより、従来必要だった床版水平移動や鉄筋組立時の側面からの配筋挿入作業が不要となるため、施工を簡便に行うことができます。 - 3.高い疲労耐久性
間詰材に高強度繊維補強モルタルを採用することで、そのモルタルを介した定着鉄筋同士の確実な応力伝達により、高い疲労耐久性を発揮します。 - 4.コスト低減と施工品質向上
継手まわりを中心とした施工の省力化および工期短縮によりコスト低減を図るとともに、高強度繊維補強モルタルの採用により施工品質を向上させることができます。

メリット
- 工期の短縮と安全性向上
- 継手構造の簡素化による作業効率の向上
- 高い耐久性とコスト削減
特記事項
- 性能
-
NEXCO 試験法 442-2019(輪荷重走行試験)に準拠し、耐用年数100年相当(250kN×10万回)以上の疲労耐久性が確認されています。なお、本技術は2024年6月に株式会社高速道路総合技術研究所(NEXCO総研)に性能証明を提出・受理されています。
- 適用工種
- 橋梁のコンクリート床版取替工事
- 関連資料
-
- NEXCO 試験法 442-2019に基づく試験結果資料
- 「ESCON TPジョイント」と従来工法の比較資料
- https://www.maeda.co.jp/news/2024/09/25/5538.html
- 備考
- 「ESCON TPジョイント」は商標登録出願中です。