技術の概要
景観への配慮から、長大橋は従来の吊橋ではなく斜張橋として計画される場合が増えてきています。また、主径間長の長い斜張橋においては、施工コスト縮減の観点から主塔をRC構造とするともに、主径間は鋼桁で側径間をPC桁とする鋼コンクリート複合構造形式が採用されるケースが多くなっています。本技術は、上記のような斜張橋の建設工事において、コスト低減、工期短縮および安全性の向上を可能とするものです。
技術の特徴
- 1.断面形状が逐次変化する鉄筋コンクリート主塔を作業足場と一体化したジャンプフォームシステムにより安全・確実に施工できます。
- 2.コンクリート側径間上部工の施工において、プレキャストコンクリートブロックを仮支柱とした仮設支保工を用いることにより、支保工設置費用の縮減と作業スペースの有効利用が可能となります。
- 3.鋼桁を地上で組み立て、一括して吊り上げ架設するヘビーリフト工法の採用により、鋼桁の架設工事における支保工設置費用の縮減と工期短縮が可能となります。

メリット
コンクリート側径間の施工においては鋼製支保工を用いた場合と比較して支保工の設置費用を大幅に縮減できます。また、鋼桁側径間の施工においては、支保工を用いた架設の場合と比較して支保工の組立・解体に関わる工事期間を短縮することができます。
- 実績
- 香港ストーンカッターズ橋建設工事(2009年完成。主径間長1,018mは中国の蘇通長江公路大橋の同1,088mに次ぐ世界第2位の規模。)
- 適用工種
- 橋梁
- 関連資料
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- 「中央径間長世界最長級の斜張橋への挑戦」、コンクリート工学2007年3月号
- 「香港ストーンカッターズ橋建設工事」、土木施工2007年12月号
- 備考
- 平成21年度 土木学会田中賞受賞