技術の概要
「M-ESS工法(Maeda Enlargement Section Shield tunneling)」は、シールド機の側部に搭載した拡幅部掘削機構で地山を掘削し、特殊な地山安定材を充填することで地山の保持を行い、その後に拡幅セグメントを坑内から押し出して、拡幅部を構築する工法です。
これにより、高水圧下でも大規模な地盤改良を必要とせずに、非開削で安全・確実にシールドトンネルの拡幅部を構築できます。
技術の特徴
- 1.トンネル内からの補助工法を用いることなく、大深度・高水圧下でも安全に部分拡幅が行えます。
- 2.拡幅部以外の区間は標準の円形断面であり、工事量を最小限に抑えられます。
- 3.拡幅部の掘削は本線セグメントの組立時に行い、またセグメント押出し作業は掘進とは別の工程となるため、通常の掘進工程に影響を与えません。
- 4.ルート上、何箇所でも任意の場所で部分拡幅が可能です。
- 5.拡幅部の掘削は泥水式であり、本掘進用の流体輸送設備・泥水処理設備を兼用できます。
メリット
- 1.道路トンネルの非常駐車帯やランプ合流部、鉄道の地下駅部や待避空間などの大断面トンネルに適用可能です。
- 2.外径Φ16mのトンネルで、幅2mの拡幅を行う場合の試算では、従来の地盤改良を主体とする非開削工法と比べて、約20%の工期短縮、約10%のコスト縮減が可能となります。

特記事項
大断面対応の拡幅シールド機として、地盤などの施工条件に応じて施工性・保守性・コストを考慮した最適な掘削機構を選定できるように3タイプを用意しています。
- 1.大口径ドラムカッター式掘削機構
- 2.揺動ドラムカッター式掘削機構
- 3.多連矩形シールド式掘削機構
- 適用工種
- シールドトンネル