CSG材・骨材などの
粒度・水分量を自動で品質管理
自動品質管理システム
「MAC-Links」

技術の概要

台形CSGダムのCSG材やコンクリートダムの骨材製造時の品質管理として材料の粒度と水分量を自動で計測・管理することを目的として開発されたのが「MAC-Links」です。特にCSGにおいては材料の品質管理試験の頻度が高く、試験結果がわかるまで約1時間を要することから高速・大量施工を行う上での課題となっていました。
本システム「MAC-Links」では粒度と水分量の管理を完全自動化することでCSGをはじめとする材料の品質管理の合理化・省人化を図り生産性向上に貢献します。
さらに最新のシステムでは従来のアルゴリズム計測のほかAI画像解析を併用することで更に高精度な品質管理が可能となっています。

技術の特徴

  • 1.試料のサンプリングから計測、結果の算出、サンプリングした試料の返送までを完全自動・無人で行うことができます。
  • 2.CSGでは材料を混合して利用することが多いことから複数の材料混合を想定したシステムとなっており、最大で同時に4種類の材料を扱うことが可能です。
  • 3.アルゴリズム計測の測定時間は従来の試験方法と比較すると1/4~1/5で完了します。さらにAI画像判定ではベルトコンベヤ上を材料が通過した時点で判定が完了しますので大幅な合理化が図れます。
  • 4.他社の計測方式はある一定の時間内に撮影した数十~百数十枚の画像の推定結果を平均して粒度を求めるため、材料に異常が発生しても即座に検出されません。当システムではAI判定によるリアルタイム検出と、試料サンプリングによるアルゴリズム計測により、ピンポイントの異常にたいしても確実な検出が可能です。
  • 5.画像による粒度推定だけでなく、CSGの品質管理で最も重要となる水分量のリアルタイムモリタリングを行い、さらに材料の重量もリアルタイムで計測していますので、材料特性を的確に把握することができます。
  • 6.「MAC-Links」で測定した結果に基づき、CSG製造プラントでは自動で配合を補正することができます。
  • 7.複数の材料を混合することを最初から想定したシステムとなっていますので各製造ラインの材料ごとのデータを自動で統合管理することができます。
画像処理粒度解析の解析処理方式

メリット

  • 1.材料の品質管理試験頻度が高まることにより、高速・大量施工が可能となるので生産性向上に大きく貢献できます。
  • 2.試験業務が大幅に削減できるため、試験業務に係る労務の大幅な省人化を図ることができます。
  • 3.従来の品質管理試験のように試料の採取や試料の洗い・ふるい分けなど危険作業・重労働作業を大幅に低減できるため品質管理の安全性向上が図れます。
  • 4.機械による完全自動計測が可能となるため、CSGやRCDの巡航連続施工にも対応できます。
AI画像粒度判定
材料撮影状況
マイクロ波水分計/水分量測定状況

特記事項

本システムは「2019年度 建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(追加公募)」(通称:PRISM)で対象技術Ⅱとして成瀬ダムにて本システムを試行し“A評価”をいただくことができました。

実績
  1. 1)浜松市舞阪工区・中田島工区防潮堤 静岡県
  2. 2)成瀬ダム堤体建設工事 東北地方整備局
適用工種
台形CSGダムの材料品質管理およびCSG製造管理
コンクリートダムにおける骨材製造・品質管理
上記以外の土木材料の粒度・水分量の管理を要する工種
備考
「2019年度 建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(追加公募)」での試行技術で“A評価”をいただくことができました。