技術の概要
CIMとは、調査・設計から3次元モデルを導入し、施工・維持管理段階における3次元モデルに連携・発展させ、建設生産システム全体の効率化を図るものです。前田建設は官庁工事だけでなく、民間工事においてもCIMの試行を実施し、建設生産性の向上を目指して開発・検証を続けています。
技術の特徴
- 1.通常は平面図・断面図・側面図といった複数の図面で示す構造物の形状を、3次元モデルでは1つのモデルで表現できる。
- 2.3次元モデルに工程に基づいた時間軸を付与した4次元モデルを活用することで、施工シミュレーションが可能となり、日付を指定してその日の現場状況を再現することもできる。
- 3.3次元モデルに構造物に関する種々の情報を付与し一元化することで、必要に応じて迅速に情報を引き出すことが可能になる。
- 4.付与された情報を、3次元モデル上で可視化することも可能である。
例)コンクリート工事における4週強度を色分けすることで、品質が確保されていることを容易に確認できる。

メリット
- 1.構造物の複雑な形状や施工ステップを可視化できるため、工事関係者の理解を深めることが可能となり、不具合の早期発見、迅速な意思決定が可能になる。
- 2.構造物に関する膨大な情報を一元化でき、さらに3次元モデルでの可視化により空間的な把握が可能となるため、維持管理段階において、判断を高度化できるなど業務の効率化が期待できる。
特記事項
- 実績
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- 1)矢切函渠その9工事(2011.12~2015.3) 国土交通省関東地方整備局
- 2)福岡201号 筑豊烏尾トンネル(糸田工区)新設工事(2014.1~) 国土交通省九州地方整備局
- 3)平成25年度[第25-K5611-01号]浜松篠原海岸津波対策施設等整備事業(海岸)工事(2014.3~) 静岡県浜松土木事務所
- 4)平成26年度 東海環状揖斐川橋右岸下部工事(2014.9~) 国土交通省中部地方整備局
- 5)新岩松発電所新設工事のうち土木本工事(2013.5~) 北海道電力株式会社
- 適用工種
- 函渠工、橋梁下部工、山岳トンネル、発電所工事、CM業務、他
- 関連資料
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「大容量データ処理技術を活用したCIMモデルの構築に向けて」
土木情報学シンポジウム(2015.9)土木学会(土木情報学委員会)
- 備考
- 特許出願中