技術の概要
MAIOSS-Ⅱは、シールドトンネル工事の施工データを収集・蓄積するデータプラットフォームであり、社内の統一規格として前田建設工業株式会社が開発・導入を開始したシステムです。本システムは、工事中の機械動作や応答値、資材や掘削土の物流、人の動きなどの様々なデータを取得し、シールド工事におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進します。
技術の特徴
- シールドトンネル工事の施工データをリアルタイムで収集・解析し、AIを用いて施工の自動化・省人化をサポートします。
- 収集したデータは、運転制御、品質管理、物流、安全・環境、トラブル防止の5つの分野に分類され、クラウドにアップロードされることで、全社的なデータの共有・分析が可能となります。
- 統一されたデータプラットフォームを活用することで、熟練技術者の知識・経験を次世代へ継承するためのツールとして機能します。


メリット
- 1.工事の影響予測
地表面沈下や変状など、工事による周辺環境への影響の予兆を複数のデータから高い確度で早期に発見します。 - 2.担い手不足への対応
自動化・省人化により、少子化や熟練技術者の高齢化による担い手不足の課題を解決します。 - 3.生産性向上と精度向上
建設現場の生産性向上とAI化及びデータ分析の精度向上を実現し、効率的な施工を可能にします。
特記事項
- 実績
- 現在、大口径から中小口径まで、5現場に導入実績があります。
- 適用工種
- シールドトンネル工事全般に適用。特に、掘削土の管理や機械制御が求められる工事において効果的です。
- 関連資料
- 「シールドDX化に向けた『MAIOSS-Ⅱ』導入について」令和6年度土木学会全国大会 第79回年次学術講演会、Ⅵ-953、2024
- 備考
- 今後、全現場のデータをAIに活用し、より精緻な分析や熟練技術の自動化を目指す予定です。