技術の概要
「MaRCSII構法」は、圧縮力に強いRCを柱に、曲げ、引張に強い鉄骨を梁に用いた構造です。鉄骨造に比べて柱の剛性が高く揺れにくく、また、RC造では実現が難しいロングスパンが可能なため、物流施設、商業施設等に適した構法です。
技術の特徴
- 1.ふさぎ板タイプ、せん断補強筋タイプを選択できます。
- 2.建物の階数、高さに制限はありません。
- 3.使用材料の範囲は、コンクリート強度21~60N/mm2、柱主筋SD295〜SD490(最上階はSD390 まで)、
仕口部フープSD295〜SD390、S梁,ふさぎ板,支圧板SS400,SM490級,SN400級,SN490級となります。 - 4.RC造耐震壁、ブレースと併用できます。
- 5.限界耐力計算法(令第82条の6)に基づいた設計手法を用いています。

メリット
- 1.梁がS造のため、柱先行工法や柱プレキャスト工法を採用することにより、施工の合理化、省力化が図れます。
- 2.柱梁接合部外周をふさぎ板で囲んでいるため、柱梁接合部のせん断補強筋および型枠が不要となります。
- 3.RC造建物に比べ、躯体施工工期の短縮、躯体工事費を低減することができます。
- 4.最下階柱脚や最上階柱頭以外の部分的な柱降伏を許容できるため、設計の合理化が図れます。
- 実績
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川越産業団地第五号地ロジステックセンター新築工事(2010.12竣工)
ヤマト運輸(株)和歌山主管支店新築工事(2010.10竣工)
- 外部評価
- (財)日本建築総合試験所より構造性能に関する建築技術性能証明取得(2002年5月)
- 適用工種
- RC造柱とS造梁の混合構造
- 関連資料
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「第08-13号建築技術性能証明評価概要報告書」(日本建築総合試験所)
「MaRCSII構法・施工概要書」(社内西日本商業WG作成)
- 備考
- 東洋建設、錢高組との共同開発