技術の概要
セメント等の硬化材をエアーとともに超高圧(40MPa)で噴射し、地盤を強制的に切削しながら地盤改良体を造成する高圧噴射攪拌工法の一種です。対象地盤中に貫入したロッドを揺動させながら硬化材を噴射することにより、円柱状、壁状、扇形、格子状の地盤改良体を造成します。
技術の特徴
- 1.従来工法のような円柱状だけでなく、任意形状の改良体(扇形や格子状)が構築できます。
- 2.改良半径R=4.0mの大口径造成が可能です(国内最大級)。
- 3.ツインノズルの採用により、従来工法では造成が難しいとされていた礫を巻き込んだ改良体の造成が可能です。
- 4.改良位置・噴射方向、改良径、改良強度をリアルタイムで把握する高精度な品質管理を行うことにより、高い品質が得られます。


メリット
- 1.任意形状改良体構築により、必要範囲を無駄なく改良でき、従来工法に比べて10~30%のコスト低減・工期短縮が図れます(改良ボリューム、施工本数の低減)
- 2.礫を多く含む盛土や埋戻し土にも適用可能です。
- 3.大口径改良体により、地上および地中に支障物が多い場合や既設構造物直下の改良を行う場合など、造成用の削孔位置が限定される場面では特に有利となります。

- 実績
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- 1)愛知県C社G工場地震(液状化)対策工 C社(H19.10~H20.3)
- 2)海水取り入れ設備横護岸補強 昭和電工株式会社(H21.7~H21.11)
- 3)茨城県J社耐震補強工事に伴う地盤改良工 J社(H22.11~H23.2)
- 4)神奈川県K社工場側方流動対策工 K社(H22.12~H23.3)
他多数
- 外部評価
- H21.6建設技術審査証明 (社)日本建設機械化協会
- 適用工種
- シールド発進・到達防護、立坑底盤改良・先行地中梁、地盤の耐震補強・液状化対策など
- 関連資料
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日刊建設産業新聞(H19年11月29日)
電力土木(H20年5月)
- 備考
- H21.10資源循環技術・システム表彰 クリーン・ジャパン・センター会長賞受賞 (財)クリーン・ジャパン・センター
高圧噴射撹拌工法は本来、都市土木の仮設用でしたが、巨大地震に備え液状化対策や耐震補強を実施する事例が増加しており、これら本設利用ニーズの高まりに対応すべく、前田が開発したコストダウン・工期短縮・高品質に寄与する地盤改良工法がマルチジェット工法です。セメントミルク噴射口をツインノズルに、造成用ロッドの動きを従来の回転式から揺動式に、噴射圧力を従来工法(主に30MPa)より高い40MPaに、削孔を下向き超高圧水ジェット噴射に、それぞれ改良しています。