技術の概要
長距離となる道路や鉄道などの大断面シールド工事においては、工期短縮や施工効率の向上(環境負荷低減)等の技術が求められています。特に大断面シールドでは、カッター外周側の周速度に対してカッター内周側の周速度は小さくなり、カッター内周側の切削効率が低下して掘進速度低下やジャッキ推力増加により施工効率が低下します。このような課題を解決するために、カッターを外周と内周の二重構造として、内カッターを高速で回転させる二重回転カッターシールドの実証試験を行いました。
技術の特徴
- 内カッターと外カッターの径は、内外比=1:2または1:3としました。
- 内カッターは外カッターに対して、同じ方向(正転)と反対方向(反転)に回転できます。
- 内カッターの回転速度は、外カッターに対して1倍、2倍、3倍の速さで回転できます。

メリット
- 内カッターの回転速度を速くするとカッター切込量が小さくなるので、推力は10~20%程度減少することが分りました。
(図-2:チャンバーに土砂を溜めないケース) - 内カッターの回転を正転3倍速にすると、カッタートルクが最大20%低減し、推力も最大35%低減することが分りました。(図-3)
- 今回の実証試験は泥土圧式シールドでしたが、チャンバーに土砂を溜めないケースの実験を行っているので、泥水式シールドに適用しても同様の効果があります。

特記事項
- 外部評価
- シールド工法(特に大断面)
- 関連資料
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- 「二重回転カッター方式によるシールド高速施工技術の開発」
土木建設技術発表会(2014.11) 土木学会 建設技術研究委員会 - 「二重回転カッター方式による大口径シールドの高速施工技術の開発」
建設機械施工誌(2014.12) 日本建設機械施工協会 - リニア新幹線を支えるトンネル工事向け工法と技術
「二重回転カッター構造に関するシールド掘進実験」
建設機械誌(2015.8) 日本工業出版株式会社 - https://www.maeda.co.jp/news/2014/05/26/4676.html
- 「二重回転カッター方式によるシールド高速施工技術の開発」
- 備考
- 特許取得済